2021年3月13日、JRグループは一斉にダイヤ改正を行う。社会情勢が大きく変化した中での全国規模のダイヤ改正ということもあり、いろいろな方面から注目されている。
ここでは、京阪神エリアにおけるダイヤ改正のポイントを整理したい。
「通勤特急」の充実が目玉
コロナ禍により、特急型車両を使った通勤が全国的に注目されている。京阪神エリアにおいても、特急型車両を使った「通勤特急」の充実が盛り込まれた。
JR琵琶湖線では通勤時間帯に運行される「はるか」「びわこエクスプレス」が新たに南草津駅と山科駅に停車する。JR神戸線では「らくラクはりま」が新大阪駅まで延長運転され、新たに大久保駅に停車する。JR宝塚線では夜間時間帯に走る新三田方面行きの「こうのとり」が新たに西宮名塩駅に停車する。
鉄道ファンから見ると、「らくラクはりま」の大久保駅停車に驚くのではないだろうか。
大久保駅(兵庫県明石市)は西明石駅の西隣に位置し、「新快速」は停車しない。JR西日本によると大久保駅は利用客が多く、新大阪行きに限り同駅で大阪方面行きの普通列車と同一ホームでの乗換を可能にするとのこと。
「らくラクはりま」が停車する西明石駅や明石駅では普通列車から特急列車への同一ホームでの乗換はできないため、利便性の観点から大久保駅が停車駅に選出されたと考えられる。
列車本数の減少が著しいダイヤ改正
世間一般では最終列車の繰り上げが話題となっているが、列車本数の減少も見逃せないポイントだ。
京都・大阪方面と関西空港駅を結ぶ特急「はるか」は利用状況を踏まえたダイヤとなる。すでに20年4月24日から需要の減少に応じた減量ダイヤを実施しているが、今回のダイヤ改正により当分は減量体制が続くことになった。
10時~16時台は「はるか」は運行されない。一方、多客期は車両の増結や臨時列車の運行を示唆していることから、オンシーズンに「はるか」を利用する際は時刻表の確認をおすすめする。
その他、「サンダーバード」「くろしお」の一部列車が金・土・日祝運行、「こうのとり」「きのさき」の一部列車が土・日祝運行になることから、平日に利用する際は注意が必要だ。
(フリーライター 新田浩之)