「定められたルールの中での『最善策』を目指した」
1月12日には「朝・昼ディナー」の提供初日を迎えた。店で「朝・昼ディナー」を味わった人からは「すごい体験価値だった」「これがニューノーマル、トレンドになる可能性がある」「一日の活力が出た」といった好反響が寄せられたといい、鳥羽さんも「最高に喜ばれていました!」と喜んだ。
ただ、政府が飲食店に時短営業を要請しているのは、会食などによる感染拡大を防ぐため。提供機会の確保を模索する店の姿勢には、「抜け道だ」「一休さんのとんちじゃないのか」と批判的な声も寄せられたという。
鳥羽さんによれば、「sio」では従業員の検温と体調チェック、マスク着用、手洗い、アルコール消毒の徹底、客が使う物の抗菌確保、席数の減少(約20席→10席)、店内換気といった感染対策を実施。利用客も食事中以外はマスクを着用するなど「お互いの暗黙の了解で対策をしている」状況だという。その上で、鳥羽さんは以下のように考えを語った。
「『朝に営業すれば、夜よりもコロナが感染しにくくなるとでも思っているのか』という意見もありました。ただ、それは僕らではなく、本来、国に対して言うべき話。これがダメならば、夜営業しているお店も、昼営業しているファミレスも、感染リスクという意味ではそもそも全部ダメだという話になってしまいます」
「朝ディナーは単に『お金を稼ぐ』というよりも、ウィズコロナ、アフターコロナにおける『新しいライフスタイルの提案』という位置付けです。今後、もしかしたらそういうスタイルが定着していくんじゃないか、という選択肢の一つとしてやっている。『時短要請に従う』『指定の時間以外はアルコール提供をしない』『やれる範囲の感染対策をする』といった、最低限定められたルールの中での『最善策』を目指した結果です」