尾身会長、首相会見で語った「思うところ」 疫学情報の共有「我々の望むレベルには...」

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半年前から「疫学情報の迅速な集計と自治体間との共有」主張していた

   一方の尾身氏は、罰則については分科会で賛否両論あることを説明し、別の部分で改正が必要な部分があるとの考えを明かした。

「実は今の感染症法の改正も、あるいは特措法の改正も、実は我々、『こういう部分をもしかして改善していただければもっと感染対策が進んだろう』と思うところがある」

   その一例として尾身氏が挙げたのが、個人情報を守ることを前提に、疫学情報を迅速に自治体間や自治体と国の間で共有できるようにすることだ。尾身氏いわく、「これが極めて重要だと思うが、それが今回、なかなか、いろいろな様々な理由で、我々が望むレベルには必ずしも到達していない」。

   分科会は20年7月に行った初会合で、「疫学情報の迅速な集計と自治体間との共有」が必要だとして、

「東京都から離れた地域でも孤発例が報告されている。感染拡大防止のためには、孤発例がどこで、どのように感染したかなどの疫学情報がリアルタイムで集計され、広域間で共有されなければならない。この問題も数カ月前から認識されていたが、原因が多岐にわたり複雑であるため未だ課題解決に至っていない」

などと指摘している。ここから半年が経過しても事態が「我々が望むレベル」になっていないことになり、尾身氏は、今後の国会審議で焦点が当たる「補償と罰則」だけでなく、情報共有の不十分さが対策の支障になったことについても議論するようにクギをさした。

「是非国会で、感染症法あるいは特措法の改正をするときに、その罰則と、あるいは協力金にするとかいう議論、お金のことと同時に、『実際どういうことがあったので感染症対策が進まなかった』ということを十分、我々はまたそのことついてはしっかり問題提起をさせていただいて、そういうことも含めて議論していただければと思う」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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