「頭に残るのは『行進し、戦え』という言葉だけ」
あの事件の日、大規模抗議集会から議事堂まで行進したトランプ支持者たちは、「今回のイベントは『Save America March(アメリカを救う行進)』と謳われ、自分たちは選挙『不正』に抗議するために、初めから行進するつもりだった。マスコミが報道するように、トランプに『議事堂に向かって行進し、戦え!」と指示されてやったわけではない」と口を揃える。
そのことについて、トムの見方は異なる。
「私はその場にいたわけではないので、ニュース報道から判断できるだけだが」と断ったうえで、「大統領は『議事堂に乱入しろ』と言ったわけではない。それでも一部の愚かな人間が、ああいう過激な行動に出ることはわかっていたはず。大統領はスピーチで、『平和的に、愛国的に行進する』と言ったが、一部の人間の頭に残るのは『行進し、戦え』という言葉だけだ」
トムは、「SNSの普及や偏向報道により、断片的な情報だけで人々が即座に結論を出し、それが一気に広がる傾向がある」と懸念する。
大統領選で「ドミニオン・ボーティング・システムズの投票機に不正があった」とのトランプ陣営の主張に対し、同社がシドニー・パウエル弁護士を相手取り、名誉毀損の訴訟を起こしたことにトムは触れ、「これで、さまざまな事実が明るみに出るはずだ」と期待する。
議事堂乱入事件についても、「その計画性や誰がどのように関与したか、これから捜査が進んで明らかになっていくはずだ。それまでは軽率に意見することは避けたい」とトムは言う。