「迷惑系YouTuber」のへずまりゅうさん(29)が引退を宣言したと、ネット上で話題になっている。
2021年1月12日、へずまさんと親交のあるYouTuber・コレコレ氏が、自身のアカウント「コレコレチャンネル」で、へずまさんから送られてきたという文字メッセージを紹介。そこには、
「SNSの世界から、へずまりゅうは抹消しました。今後は原田将大として真面目に生きていくので更生の邪魔をしないでください。私は社会の為に頑張ります」
との決意が書かれていたのだ。
迷惑系YouTuberの「転身」が加速?
へずまさんは以前から自身の迷惑行為を撮影した動画でアクセス数を稼ぐ「迷惑系YouTuber」として活動していたが、20年5月にスーパーマーケットで会計前の刺身を食べたとして7月に窃盗容疑で逮捕されたほか、10月にはアパレル店の商品が偽ブランドだと難癖を付けて業務を妨害した疑いでまたしても逮捕されるなど、その「お騒がせぶり」が話題を呼んできた人物だ。
へずまさんがこのままSNSを引退するか否かは本人にしか分からないことだが、仮に、本当に引退した場合、似たようなスタンスで活動する他の迷惑系YouTuberにも多大な影響を与えるのではないか。へずまさんの引退がどのような影響をもたらすかについて、ITジャーナリストの井上トシユキ氏に意見を聞いた。
「今回のへずまさんの引退によって、他の迷惑系YouTuberの『転身』が加速すると思います。
迷惑系YouTuberというのは、往々にして『他にやりたいことがあるが、まずは名前を売ろう』という動機を持っている方であり、昨今の迷惑系ブームによって、これらの人々が、とりあえずの『戦果』を上げた状況の中、その代表格の引退宣言は、他の迷惑系の人々が転身を思い立つきっかけになると思います」
「迷惑系というジャンルは役割を終えた」
併せて、井上氏は迷惑系YouTuberというジャンルが廃れ始めているとも指摘する。
「迷惑系に対する世間からの批判は、当然と言えばそれまでですが、やはり、これでもかとばかりに強い。へずまさんの例を見てみると分かりますが、実際にニュースとして報じられた際のヤフーコメントを見てみますと、ほぼ全てが『全否定』のコメント。それが1つの記事につき2000件、3000件といったレベルで押し寄せるわけです。
こうなってしまっては初出の時こそ名前は売れますが、その後はただただ罵詈雑言を浴びるだけであり、自身のチャンネルの再生回数にはあまりつながりません。この状況はへずまさんに限ったことではないため、迷惑系自体が食えないジャンルになり始めている感はあります」
「このような状況ですから、やはり、迷惑系の転身は今後相次ぐのではないでしょうか。もはや、迷惑系というジャンルは役割を終えたように感じられます。
なので、今後、もし、迷惑系に再び注目が集まるとするならば、よほどキャラが立っているとか、迷惑行為の後に落ちがあって『笑い』という救いがあるといった、『洗練された迷惑行為』が出来る人が現れるといったことが起きなければ難しいでしょう」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)