「出演者が人気者ばかりではなくても...」
寄席の出演6組の中でもとりわけ注目を集めたのが、最初にヤジを飛ばされたランジャタイの漫才だ。ランジャタイは07年結成のコンビで、サンドウィッチマン(伊達みきおさん、富澤たけしさん)や永野さんらが在籍するグレープカンパニーに所属。17年と20年のM-1では準決勝に進出した「実力派」だ。
ラリーさんによれば「ボケ担当の国崎和也さんの個人的な妄想をそのまま具現化したような奇抜な漫才」が特徴で、業界では「密かに注目されていた」というランジャタイ。今回の寄席では、その「奇抜な漫才」に客席の芸人から容赦なく「ヤジ」が入れられたことで、「面白さが倍増していたように見えた」とラリーさんは語る。ランジャタイの2人も4日、YouTubeチャンネルの配信で「本当にマヂラブさんのおかげ。奇跡のドミノが積み重なった」(国崎さん)「俺らなんか雑魚ですから」(伊藤さん)と、主催したマヂカルラブリーに対する感謝の思いを寄せた。
2度目の緊急事態宣言が出されたことで、予定していたライブイベントの中止や延期が相次いでいる。無観客配信に切り替える動きも出ている中、ラリーさんは今回の「寄席」のヒットが与えたお笑い界へのインパクトについて、こう語った。
「ライブの内容が面白ければ、出演者が人気者ばかりではなくてもチケットは売れる、ということを証明したのではないかと思います。配信があるライブの場合、ライブ終了後にもチケットの販売が続いていることがあるため、ネット上での評判を見てからチケットを買ってライブを見ることもできます。配信ライブの新たな可能性を示したと言えるでしょう」