コロナ禍で世界中のエンタメ産業が苦境に立たされる中、アイドルグループも大規模なリストラを余儀なくされている。AKB48グループとしては初の海外姉妹グループとなる、インドネシア・ジャカルタが拠点のJKT48だ。
ジャカルタではロックダウン(都市封鎖)にともなう行動規制の強化と緩和が繰り返されており、劇場公演の一時中止を余儀なくされるなど、JKT48の活動も大幅に制限されている。劇場公演の有料ライブ配信といった新たな取り組みでも事態は好転せず、「生き残るための唯一の方法」として人員削減を決めた。メンバーのうち、実に4割がグループを去るという大リストラでグループの存続を目指す。
「生き残るための唯一の方法はJKT48のメンバーとスタッフの数を減らすこと」
人員削減策は、2021年1月11日にJKT48のウェブサイトで発表された。元SKE48劇場支配人で現在はJKT48のスペシャルアドバイザーを務めている湯浅洋氏が、
「コロナ禍、JKT48を継続する為には決断しなければなりませんでした」
「今までの、あたり前の事があたり前に出来なくなる事が、こんなに辛いとは。一日一日を大切にして行こうと思います」
という文章とともに、公式サイトの発表文へのリンクを投稿し、日本のファンにもグループの窮状が広く伝わることになった。
発表文のタイトルは「JKT48再編に関するお知らせ」。インドネシアでも感染が広がった新型コロナの影響で
「20年3月中旬から今に至るまで、JKT48の活動はきわめて困難になっている」
とした上で、その対応策について
「昨年末、運営チームと関係者は、JKT48の解散を避ける方法を考えるための継続的な議論を行った。議論の結果、生き残るための唯一の方法はJKT48のメンバーとスタッフの数を減らすことだ(という結論が出た)。グループ内で大規模な変更を行うことにした。非常につらいことだが、全てをゼロから作り始めるしかない」
と説明する内容で、まさに「再編=リストラ」に関するものだ。今回の対応でグループを去るメンバーは2月末に「特別卒業式」に出席する予定で、対象となる26人も発表された。ウェブサイトに掲載されているメンバーは65人。実にメンバーの4割が削減されることになる。特に削減率が高いのが「アカデミー クラスA」と呼ばれる、正規メンバーに昇格する前の段階のメンバーで、15人中11人がグループを離れる。