ボクシングのWBC世界バンタム級休養王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)が、正規王者に復帰したと米専門メディア「Boxing Scene」が2021年1月10日、報じた。ウバーリは20年11月に新型コロナウイルスの陽性反応を示し、12月に予定していた防衛戦をキャンセル。その後WBCはウバーリを休養王者に認定し、同級には暫定王座が設けられた。
ウバーリは12月にノニト・ドネア(フィリピン)との防衛戦を予定していたが、11月に新型コロナウイルスの陽性反応を示し出場を辞退した。これに代わるカードとして、ドネアがエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を相手に王座決戦に臨む予定だった。ところが今度はドネアが新型コロナウイルスの陽性反応を示し出場を辞退した。
判定不服のロドリゲス陣営は再戦を要求
ドネアのキャンセルにより急きょ組まれたのは、WBC世界バンタム級暫定王座決定戦だ。
ドネアの代役としてレイマート・ガバリョ(フィリピン)が出場しロドリゲスと対戦。試合は判定までもつれ、ガバリョが2-1の判定で暫定王座を獲得。一方でロドリゲス陣営はこの判定を不服としてWBCに再戦を要求した。
「Boxing Scene」によると、WBCは正規王者ウバーリに暫定王者ガバリョとの対戦を義務付けておらず、次の防衛戦は自由に相手を選択することが出来るという。ウバーリ、ドネアの両陣営は対戦を望んでいることから、ウバーリVSドネア戦が仕切り直しとなる可能性が出てきた。
世界主要4団体の統一を目指しているWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)にとってWBCはターゲットになる王座。正規王座のタイトル戦の行方が、今後の井上の王座統一ロードに影響を及ぼすことは必至の状況だけに、WBC王者ウバーリの次戦に注目が集まる。