2021年も「成人の日」を迎えた。コロナ禍での成人式は例年と大きく異なり、各地で式典が延期・中止を余儀なくされている。開催される場合でも、「参列する」ことへの賛否が分かれている。
1月10日には感染症を専門とする医師・岩田健太郎教授(神戸大学)がブログで、新成人に「成人式には行かないで」と呼びかけ、議論を呼んだ。多くの共感を得ている一方、「一生に一度の通過儀礼をやめろと成人すぎた人達が言う権限ないと思う」との指摘も。そうしたなか、そもそも「みんなにお祝いしてもらう日」ではないと持論を展開する人がいる。
加藤登紀子「こんな厳しい状況の中も悪くない」
「ちょっと辛い成人式になりましたが、ほんとは、20歳は、みんなにお祝いしてもらうような日じゃなく、たった一人、決意して独り立ちする日じゃなかったかなと思う。こんな厳しい状況の中も悪くない」
シンガーソングライターの加藤登紀子さん(77)は1月11日、ツイッターでこう綴った。
キタムラが運営する「スタジオマリオ」の公式サイトによると、地域の新成人が一堂に会して行う「成人式」の発祥は、1946年に埼玉県の現・蕨市で開催された「青年祭」だという。それが全国に広まり、49年の1月15日が「成人の日」と制定された。
70年余り続いている伝統儀礼ではあるが、加藤さんにとっては「青年祭」は生まれた後の出来事。ツイートで新成人を鼓舞し、夜に行うYouTubeライブで「たっぷり語り歌います。見て、あなたも参加してね」と結んでいる。
指原莉乃「悲しいことがあった分きっといいことが」
懐かしい顔ぶれに再会する場として、成人式をかけがえのない機会だと捉えている人もいる。タレントの時東ぁみさんは自身の成人式当時、撮影で海外にいたため、出られなかった一人。過去を振り返って「出たかったし、集まりたかった。同級生や先生に会いたかった。という思いがあります!」とツイッターで明かし、泣く泣く参列できなかった・しなかった今年の新成人にもう一度、場を設けてあげてほしいと語っている。
「だから、今回やれなかったところはまたやってあげてほしい!その日は会社も休めるようにしてあげて」
タレントの指原莉乃さん(28)は、「今年は思うようにいかない成人の日にはなってしまったと思いますが」と前置きしつつ、このように新成人を祝福した。
「今年会えなかった懐かしい出会い、さらに新しい出会いがたくさんあり、より素敵な人生になることを期待して 悲しいことがあった分きっといいことがあるんだと思います」
奈良市「命を守るのも大人の責任」飲み会は自粛を
行政が成人式の式典を延期・中止にしない場合、参列するか否かは新成人の判断に委ねられる。式典に「参列する」こと自体には賛成でも、その後の「飲み会」には反対・慎重な見方を示す人は少なくない。「懐かしい顔とも会うかもしれませんがその後の飲み会等は出来れば避けましょう」などと、ツイッターで新成人に注意喚起する投稿が散見される。
奈良市役所の公式ツイッターは1月10日、「式典では最大限の対策をします」とことわったうえで、
「成人式が良い思い出になり、そして大切な家族や友だちを新型コロナウイルスの感染から守るために、飲み会・会食は厳に控えてください。本日中に飲み会予定の変更をお願いいたします」
とツイート。埼玉県・白岡市のアカウントも同様に1月10日、式典を「新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策を十分に講じたうえで開催する」と説明した上で、「命を守るのも大人の責任です」と記載し、
「式典終了後は速やかに帰宅し、同窓会や会食、飲み会は、自粛をしてくださるよう、お願いいたします」
とした。