コロナ「国民一斉検査」論がナンセンスな理由 「なぜできないのか」と言う前に

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「現実的に考えて無理です」

   日本感染症学会理事長の舘田一博・東邦大学医学部教授(感染症学)は6日のJ-CASTニュースの取材に、国民一斉検査は「現実的に考えて無理です」と話す。

「約1億3000万人全員のPCR検査を、仮にたとえば2日ほどで実施でき、結果が翌日に出て、陽性者を適切に病院や宿泊所に入れたり自宅待機させたりする、といった対応を取ることができれば、非常に効果的な対策になるでしょう。しかし現実的には無理です。

1日で検査できるのは12万件ほどです。全国民に検査したら1000日以上かかります。新型コロナウイルス感染症は今日陰性でも明日陽性になり得るし、いま感染していなくても明日、明後日に感染する可能性があるわけです。1000日待っている間に、誰が陰性だったか陽性だったかは分からなくなる。とにかく検査しようという主張もありますが、まずこうしたキャパシティの問題を考えて無理です。これまでずっと議論されてきたことです。

また陽性だった場合、その人から感染拡大しないように自宅待機としたら、誰がみるのか、そのための人材を確保できるのかという問題もあります。自宅待機とお願いしても、必ずしも全員が自宅で待機していただけるわけではありません」

   医療機関では、入院時にPCR検査で陰性だった患者がのちに陽性となり、感染が広がったケースも相次ぎ報道されている。朝日新聞の6日付記事によると、北海道の医療機関で、ある患者が新型コロナ感染症以外の病気で入院した際のPCR検査は陰性だったが、退院後に陽性が判明した事例があった。

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