巣鴨地蔵通り商店街(東京都豊島区)の店舗を中心としたECサイト「すがものみせ with おしるこ」が2020年1月8日にオープンした。
「おしるこ」は、プラットフォーム事業を手掛けるカイト(東京都港区)が運営する、50歳以上を対象としたコミュニケーションアプリ。「おばあちゃんの原宿」とも呼ばれる巣鴨地蔵通り商店街と提携し、新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けている商店街の売上を支えることが期待される。
「巣鴨を元気付けるために」
なぜ巣鴨地蔵通り商店街のECサイト立ち上げに至ったのか。J-CASTニュースは1月7日、カイトのECサイト担当者に詳しい話を聞いた。
「おしるこ」は18年12月にリリースされたアプリで、現時点でユーザー数は約3万人。日記やグループチャット、ポイントを貯めて商品を交換するといった機能が搭載されている。
担当者は、以前から「おしるこ」と「巣鴨」の親和性は高いと感じており、企画の立ち上げを考えていたと話す。「すがものみせ with おしるこ」の立ち上げに至った経緯を聞くと、
「ヒアリングのために実際に足を運んでみると、コロナウイルスにより客足は激減。お店の方もかなりお困りの様子でした。この状況を受け、巣鴨を元気付けるために何かできることを考えた末にたどりついたのが、巣鴨ECサイトプロジェクトです」
ただ、「すがものみせ with おしるこ」はアプリ「おしるこ」と連動しているわけではなく、あくまで独立したサイト。
「このECサイトで収益をあげることはほぼ考えておりません。『おしるこ』はまだリリースから日が浅く、このECサイトとともに認知度やユーザー数を発展させていきたいです」(カイト担当者)
と意気込んだ。
商店街「各店で立ち上げはハードルが高い」
J-CASTニュースが8日、巣鴨地蔵通り商店街振興組合の理事を務めるコバヤシ洋傘店の小林哲(さとし)さん(53)を取材すると、「商店街の人出は例年の半分ほど」。昨20年10月後半~11月にかけては人が戻り始めていたが、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い再び減っている印象があるという。
「新型コロナウイルスの影響でお客様が極端に減っており、ECサイトを立ち上げるという話はかねてから出ていました。しかし各店舗で立ち上げるのはハードルが高く、このようなプラットフォームに乗っかるのがいいと考えました」(小林さん)
振興組合の加盟店は約150店舗。カイトの担当者によれば、現時点でコバヤシ洋傘店を含む3店舗の参画が決定しており、他5、6店舗が検討段階だ。今後も参画の声がけを続けていくという。
小林さんは「すがものみせ with おしるこ」に「売上が減ったところを、少しでも補っていければ」と期待を寄せる。
「巣鴨は買い回りの商店街とは違い、お土産や観光目的に近い広域の商店街です。影響を受けやすく、昨春に緊急事態宣言が出た時は劇的にお客様が減ってしまいました。特に年配の方が来れなくなるので、自分ではできなくともご子息や若い方に聞いて、ECサイトから商品をご購入できればと思います」