早くも「ポスト菅」探し? コロナ対応で求心力低下、自民党内で孤立との見方も

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   急速な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅義偉首相が1都3県で緊急事態宣言に踏み切ったが、対策の遅れに不満が続出して支持率回復の糸口がつかめないままだ。

   自民党内では、早くも「ポスト菅」探しが始まっている模様で、無派閥の菅首相が党内で孤立し始めているとの見方が強まっている。

  • 早くも求心力低下がささやかれるが…(写真は、1月7日撮影)
    早くも求心力低下がささやかれるが…(写真は、1月7日撮影)
  • 早くも求心力低下がささやかれるが…(写真は、1月7日撮影)

ビジネス目的入国を巡っても、下村博文政調会長らから異論

   中国などでも変異ウイルスが見つかったと報じられる中、2021年1月に入って、政府は、中国や韓国など11の国・地域から受け入れていたビジネス目的の入国を停止する方針だと報じられた。

   ところが、緊急事態宣言を発令した7日になって、今度は、一転して入国の継続を決めたと報じられ、ネット上では、今後の影響を懸念する書き込みが相次いでいる。

   「財界の強いご要望もあるんだろ」と推測する向きもあったが、「なんで自国民には制限かけて入国は自由なんだよ...」「国内でいくら頑張って自粛しても意味ない」などと不満がくすぶっている。

   朝日新聞のウェブ版記事によると、菅首相の下で5日に検討したところ、変異種の感染拡大がみられる場合に停止することになったという。経済を重視する二階俊博幹事長側の意向もあるとしている。

   とはいえ、入国の継続について、自民党内では、一枚岩とは到底言えない状況だ。下村博文政調会長が本部長を務める党内の新型コロナウイルス感染症対策本部は7日、入国を全面停止すべきだと意見が一致し、党として政府に求めると報じられた。

   安倍晋三前首相が所属した細田派の下村氏は最近、菅首相に距離を置く姿勢を示している。

唯一拠り所の二階派も、女性総理擁立の動きが見えて...

   1月5日夜に放送されたBSフジの番組に出演した下村氏は、4月25日投開票予定の衆院北海道2区と参院長野選挙区の両補選で自民党が負けた場合について、「菅政権にとって大ダメージになる」とクギを刺した。

   下村氏は、現状では補選の状況は厳しいとし、両補選とも負けるような場合は政局になる可能性まで指摘した。

   一方、菅首相誕生の立役者になった二階氏も、菅首相から距離を取り始めつつあるらしい。関係者によると、首相がGo To トラベルの全国一斉停止に踏み切った後、首相を招いた著名人らとの忘年会で、二階氏は、「Go Toをなぜ止めたのか」といった内容で苦言を呈していたという。

   二階派からは、早くもポスト菅探しの動きも出ているようだ。初の女性総理として、野田聖子幹事長代行を擁立したらどうかとの話が出ていると、いくつかの週刊誌が1月に入って報じるまでになっている。

   政治評論家の有馬晴海さんは8日、菅首相の立ち位置について、J-CASTニュースの取材にこんな見方を示した。

「菅さんは、気の利いた答弁をするのが苦手で、会見をするたびに支持率を下げています。選挙でボーダーラインにいる自民党議員もけっこういて、菅さんの顔では選挙が戦えないと考える人も増えているようです。無派閥ですと、直接応援する人がいませんので、大変でしょうね。二階さんが支えないとその時点で終わりですので、党内で板挟み状態になって、孤立してきているようにも思えます。党内から揺さぶりも始まって、菅さんも官邸でイライラしているとも聞いています」

   菅首相は、解散・総選挙をするまで辞めると言わないとみるが、五輪実施がうまくいかなければ、厳しい状況に追い込まれかねないという。

「選挙は、補選と同じ時期の4月に行われる可能性もありますね。30議席以上減らすと交代論が出てくると思いますが、すでにポスト菅の動きが出てきています。女性総理誕生を目指す二階派のほか、安倍さんの再々登板を望む向きも多いですね。最近、元気になってきており、コロナ後の経済立て直しを期待する声も上がっていましたから」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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