唯一拠り所の二階派も、女性総理擁立の動きが見えて...
1月5日夜に放送されたBSフジの番組に出演した下村氏は、4月25日投開票予定の衆院北海道2区と参院長野選挙区の両補選で自民党が負けた場合について、「菅政権にとって大ダメージになる」とクギを刺した。
下村氏は、現状では補選の状況は厳しいとし、両補選とも負けるような場合は政局になる可能性まで指摘した。
一方、菅首相誕生の立役者になった二階氏も、菅首相から距離を取り始めつつあるらしい。関係者によると、首相がGo To トラベルの全国一斉停止に踏み切った後、首相を招いた著名人らとの忘年会で、二階氏は、「Go Toをなぜ止めたのか」といった内容で苦言を呈していたという。
二階派からは、早くもポスト菅探しの動きも出ているようだ。初の女性総理として、野田聖子幹事長代行を擁立したらどうかとの話が出ていると、いくつかの週刊誌が1月に入って報じるまでになっている。
政治評論家の有馬晴海さんは8日、菅首相の立ち位置について、J-CASTニュースの取材にこんな見方を示した。
「菅さんは、気の利いた答弁をするのが苦手で、会見をするたびに支持率を下げています。選挙でボーダーラインにいる自民党議員もけっこういて、菅さんの顔では選挙が戦えないと考える人も増えているようです。無派閥ですと、直接応援する人がいませんので、大変でしょうね。二階さんが支えないとその時点で終わりですので、党内で板挟み状態になって、孤立してきているようにも思えます。党内から揺さぶりも始まって、菅さんも官邸でイライラしているとも聞いています」
菅首相は、解散・総選挙をするまで辞めると言わないとみるが、五輪実施がうまくいかなければ、厳しい状況に追い込まれかねないという。
「選挙は、補選と同じ時期の4月に行われる可能性もありますね。30議席以上減らすと交代論が出てくると思いますが、すでにポスト菅の動きが出てきています。女性総理誕生を目指す二階派のほか、安倍さんの再々登板を望む向きも多いですね。最近、元気になってきており、コロナ後の経済立て直しを期待する声も上がっていましたから」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)