新型コロナウイルスの流行という困難の中、それをものともせず例年通りに放送された2020年の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の「絶対に笑ってはいけないGo Toラスベガス24時!」。万難を排しての放送は11年連続の民放視聴率トップをマークするなど、順風満帆に思えた。
しかしその一方で、出演者のダウンタウンの2人の様子を案じる声がネット上に噴出していたのだ。
千原ジュニアさんから「遅い!」との指摘を受けて再挑戦するも...
そのような声が目立ったのは、放送開始から3時間30分が経過した2020年12月31日の22時台に放送されていた「下剋上ゲーム対決」というコーナー。レギュラー出演者のダウンタウン、月亭方正さん(52)、ココリコの5人が「第7世代」のお笑い芸人たちとさまざまなゲームで対決するコーナーだったが、その中で行われた「ひとりE.T.」というゲームに対し、視聴者から「ダウンタウンの老化」といった声が上がったのだ。
同ゲームは両手を真横に伸ばした状態から、腕を曲げずに両腕を閉じて人差し指の先同士をピッタリくっつければ成功というゲーム。指先が合わなければ失敗となるほか、指を併せる速さがあまりにも遅い場合も失敗となる、体の動きの器用さが必要とされるゲームだ。いざゲームが始まると、1番手の桃田賢斗選手(26)は難なくクリアしたものの、2番手の松本人志さん(57)が、さっそくブレーキをかけてしまった。
松本さんは、両腕を閉じる動きこそ綺麗だったものの、その速度は目測ながら桃田選手の半分程度。そのため、審判を務めた千原ジュニアさんから「遅い!」との指摘を受けて再挑戦するも、やはり、同様の速度。このため、第7世代からはヤジが飛ぶなどしたが、千原さんはゲームバランスを考えて(?)松本さんを「ギリ成功」と判断したのだった。
ただ、その次の浜田雅功さん(57)は「救いようがない」状態だった。両腕を閉じる速さは松本さんと同レベルであることに加え、その両腕はプルプル震えており、結果、指先はくっつかず。あまりの不出来ぶりには千原さんや第7世代から、「完全におじいちゃんや!」「リハビリだよ!」といったヤジが浴びせられてしまったのだ。
次のゲームでも「失態」を晒してしまった浜田さん
同じく「下剋上ゲーム対決」で行われた「負け続け後出しじゃんけん」でも、やはりダウンタウンの2人の「老化ぶり」を指摘する視聴者の声が相次いだ。
同ゲームは「後出しじゃんけんで負けなければならない」というひねりがミソ。普段から「勝つこと」を至上命題として条件反射的に出している、相手の手に勝つ自らの手を考えるという思考をストップさせつつ、「相手の出した手に負ける」という手を考え、それを出すという「デュアルタスク」的な思考が要求されるゲームだったが、このゲームで浜田さんがまたしても「失態」を晒してしまったのだ。
ゲーム中、浜田さんは時折、明らかに後出しじゃんけんとしてもリズムを失した出し方で「負け手」を出していたが、千原さんの「温かい見逃し」に助けられ、その「狂ったリズム」が功を奏したのか第7世代を次々と撃破。そして、いよいよ最後となった「霜降り明星」の粗品さんとの対決を迎えたが、その狂ったリズムに幻惑されない粗品さんによって倒されてしまったのだった。
これらのシーンを見た視聴者からは前述のものの他にも、「後出しジャンケンとかいう浜田の老化が著しいことを痛感させられる競技」といった声が続々。さらには、「浜田松本の老化防止脳トレコーナー」と、もはや「脳トレ」の色彩を帯びていると指摘する声も上がってしまったのだ。
ダウンタウンの2人は「選手」を引退し、「監督業」に専念すべき
これら、松本さんと浜田さんの老化が隠せないとする声が多数上がる事態となった2020年の「笑ってはいけない」だが、その「老化」自体は、数年前から本人たちがすでに意識していたことでもある。2015年の「絶対に笑ってはいけない名探偵24時!」の制作発表会見で松本さんは、大みそかでの放送は同年で10回目であることを明かしつつ、「ファイナルにふさわしい」と、「卒業」を希望。また、浜田さんは冗談めかしつつ、「スタッフとの信頼関係がゼロになった」と、やはり、「卒業」を希望していたのだ。
なにしろ、お笑い界のトップに君臨し続けてきた2人もすでに50代。その「老化」は自虐的にネタにされてきたが、とうとう還暦も見えてきた2020年ともなると、「ネタ」とは言っても厳しいということなのか――。
となると、大みそかの「恒例行事」と化した「笑ってはいけないシリーズ」は、いよいよ打ち切りか大幅リニューアルの岐路に立たされているということになる。具体的には、年長組であるダウンタウンに対し、執行する罰や参加するゲームの軽減を行うという手が考えられるだろう。
ただ、そのような方策では残り3人との公平性が問題となるほか、「負担の軽減」はそれすなわち、「面白味の軽減」を招く可能性が十分にある危険な策である。そう考えると、もはやダウンタウンの2人は「選手」を引退し、「監督業」に専念すべき......具体的には、「笑わせる側に回る」という決断をすべき時が近づいているのではないだろうか。
「2年連続...地図?サプライズ感ないなー」は「観測気球」なのか!?
実は、「笑ってはいけないシリーズ」は、もともとは5人がゲームで対決した結果、敗者に対する罰ゲーム企画として放送されていたのだ。全員参加となったのは2007年からで、それ以前は5人が「笑わせる側」と「笑わせられる側」に分かれて番組に出演していて、ダウンタウンの2人もそれぞれ仕掛け人側となり、その手腕をふるっていた。ファンの中には、彼らが仕掛け人側に回った初期放送を高く評価する向きも少なくない。
ただ、そうなると、「お尻をシバかれる」のは方正さんとココリコだけとなってしまい、罰を受ける人数が減ったことによる番組としてのパワーダウンは避けられない。ただ、そのパワーダウンを防ぎ得る人材が2020年の放送に出演していたことに、皆さんは気付いていただろうか......そう、「新しい地図」の3人である。
3人は2019年に続いて、まさかの2回目の出演。「2年連続...地図?サプライズ感ないなー」といった声が散見される事態となったが、マンネリを押しての2年連続出演が、3人が選手化に耐え得るかどうかの「観測気球」だったという可能性は決して否定できないのではないだろうか。その2020年も振り切った演技で活躍を見せ、特に稲垣吾郎さん(47)のシーンは、ツイッターでの話題度は番組トップクラスだったのは、J-CASTニュース既報のとおり。彼らであれば、尻をシバかれる選手として、「笑ってはいけない」に出演することは十分に可能であろう。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)