大手ホテルが破格の値段を付けても、客が入らないような状況
年末年始期間は、石垣島のこのホテルのように独自に35%割引を導入したり、同じ料金でグレードの高い部屋に泊まってもらったり、各宿泊施設は、客の確保に苦労しているようだ。
この期間に公式サイト予約客に35%割引を導入した星野リゾートは1月5日、今後について広報担当者が取材にこう答えた。
「割引については、政府発表に向けて確認中で、何も決まっていません。12月中旬から感染が急増して、新規の予約は足踏み状態で、客足が鈍くなっています。発表があれば、キャンセルが急増する可能性があり、それを待って対応を考えることにしています」
日本旅館協会の担当者は同日、年末年始からの状況について、取材に次のように話した。
「年末年始は、キャンセルが多かったと聞いており、緊急事態宣言が出れば、厳しさが増してくるでしょう。東京、大阪などの都市部は、特に稼働率が低く、価格競争も激しくなっています。大手ホテルチェーンが破格の値段で部屋を出し、それでも客が入らないという話も聞いています。客が少なければ、日によっては、マイナスが少ない休館にしてしまうところも出ていますね」
過当競争のような状況になって、資金繰りに苦しむ宿泊施設も出てきているという。
「春に緊急融資を受けて、夏場を乗り越えたところも、年末年始の収支が厳しくなって、追加融資を望んでいます。12月に金融機関との意見交換会を全国9か所で行いましたが、借金が膨らんでおり、銀行の見る目も厳しくなっていますね。銀行が融資先を選別しており、貸し渋りをしているとの声も聞かれるようになりました」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)