飲食店「狙い撃ち」の緊急事態宣言 補償どうなる...与野党案は乱立

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   近く1都3県を対象に出される見通しの緊急事態宣言は、特に感染リスクが高いと考えられている飲食店を念頭に「限定的に、集中的に行うことが効果的」だと説明された。

   焦点になるのは営業時間短縮の要請に応じた店舗に対する補償で、菅義偉首相は2021年1月4日の「給付金と罰則をセットにして、より実効的な対策を取るため」の新型コロナ特措法改正案を通常国会に提出することを表明している。ただ、通常国会の召集は1月18日の見通しで、改正案の成立は2月初めにまでずれ込みそうだ。つまり、「給付金と罰則のセット」が実現するまでには時間がかかり、給付金や補償の内容についても、与野党の案が乱立している。

  • 特措法改正案をめぐる国会の論戦はどうなる…?
    特措法改正案をめぐる国会の論戦はどうなる…?
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「時短営業協力金」、月額60万円から「増額を考えてます」

   政府は20年11月、感染拡大防止策として営業時間を短縮した店舗について、「時短営業協力金」として、月額最大60万円を給付する取り組みを始めている。ただ、大半の店舗にとって、この額では損失を埋め合わせるのは不可能だ。

   政府としては、この額を増額することから着手したい考えのようだ。菅氏は1月4日に出演した報道番組「プライムニュース」(BSフジ)の中で、協力金の額について「増額を考えてます」と発言。これを受ける形で加藤勝信官房長官も1月5日の記者会見で、

「単価を引き上げる方向で検討を行っているところ」

などと述べたが、増額の幅や時期に関する言及はなく、現時点では特措法による給付金の規模も明らかではない。

   一方、立憲、共産、国民、社民の野党4党が20年12月2日に提出した特措法の改正案では、この点は明確だ。緊急事態宣言に関連する知事の権限を強め、宣言に基づいて休業要請した際の給付金を政府が全額負担することが柱だ。これとは別に国民は、施設の使用停止を知事が命令することができ、従わない場合は罰則を科すことができる改正案を独自に提出している。

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