俳優の石原さとみさんが主演を務めたスペシャルドラマ「人生最高の贈りもの」(テレビ東京系)が2021年1月4日に放送された。近年、石原さんが連続ドラマで演じていた「高飛車な女性キャラクター」とは全く正反対の女性役の熱演に絶賛の声が続出している。
帰省理由を告げずにいたが...
このドラマは、石原さん演じる余命宣告を受けた一人の女性・田渕ゆり子と、俳優の寺尾聡さん演じる父で翻訳家・笹井亮介との家族愛を描いたヒューマンドラマ。脚本は、NHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」「ひよっこ」を担当した岡田惠和さん、監督は60年以上の演出キャリアを誇る石橋冠さんが務めた。
ゆり子は、教師の夫(向井理さん)とともに長野県安曇野ののどかな町で暮らす主婦。がんで余命宣告を受けたことをきっかけに、「余命の半分をお父さんと過ごしたい」と、東京で暮らす亮介の元へ帰省するが、「可哀想な娘との時間にしてほしくない。ケンカしたりつまらないことで笑ったりしたい」との思いで亮介には帰省理由を告げずにいた。
突如、娘との久しぶりの二人暮らしに戸惑う亮介だが、亡き妻の遺したレシピノートを参考に作ったおいしい料理でおもてなし。ゆり子は、母が生前のころまったく家庭を顧みなかった亮介が率先して台所に立つ姿に笑いが止まらないながらも、意外な料理の腕前に驚く。その後、ゆり子の夫から真実を聞き出した亮介。ゆり子に悟られないよう気丈に振舞うが、ゆり子はそれさえも悟り、力なく笑う。病魔に侵されながらも、食卓を囲んだり、共同で翻訳の仕事を成し遂げたりと、なにげない平穏な日々を送る2人。長野に帰る前夜には、母直伝の「筑前煮」の隠し味や、「白和え」の作り方を教え合い、ゆり子は「伝えられてよかった」と一言。多くは語らずとも、親子水入らずの時間を過ごしたのだった。
放送後、ツイッターなどでは、5人ほどの限られた登場人物で、最後には多くの視聴者をしっかり落涙させた脚本・演出に称賛の声があがっている。
「高嶺の花」「Heaven?」のキャラから一転
石原さんといえば、2018年7月期ドラマ「高嶺の花」(日本テレビ系)や、19年7月期ドラマ「Heaven?~ご苦楽レストラン~」(TBS系)など、このところ高飛車で独善的なわかりやすいキャラクターの役が続いていたが、今回は薄命で繊細な心を持つ役。視聴者からは、寺尾さんとの家族愛、複雑な心情を見事演じきった石原さんに対し、「連ドラの石原さとみより数段良い」「石原さとみの最後の喜哀楽全てが詰まった表情良かったな...」「いい終わり方だった。石原さとみを見直した」「石原さとみにこんな演技が出来るとは思わなかったよ」「岡田と初タッグの石原さとみの芝居はここ最近で一番良かった」などと称賛する声が多くあがっている。