2020年12月16日、JR西日本は「みどりの窓口」設置駅を2年後に半分近くまで削減することを発表した。「みどりの窓口」削減により販売の「セルフ化」がどんどん進む。これからの駅はどのようになるのだろうか。
設置340駅を2年で180駅に
12月16日、JR西日本は「みどりの窓口」の大幅な削減を発表した。JR西日本管区内において「みどりの窓口」設置駅は約340駅(2020年度初)である。2022年度末には約180駅、2030年度末には約100駅まで削減する。
「みどりの窓口」の削減とは反対にオペレーターと通話可能な「みどりの券売機プラス」やクレジットカードを利用した定期券の購入が可能な高機能型券売機の設置駅を増やす。「みどりの券売機プラス」設置駅はJR西日本管区内において約100駅(2020年度初)であるが、2022年度末には約180駅、2030年度末には約200駅まで増やす。
また主要な新幹線・特急停車駅以外の「みどりの窓口」の営業時間を8:00~20:00で統一する。「みどりの窓口」設置駅の削減等に伴い、2022年度末時点で年約15億円の人件費を低減できるという。
課題は高齢者への対応か
筆者が利用する駅は普通列車しか止まらず、「みどりの窓口」とオペレーター機能がない「みどりの券売機」1台が設置されている。多くの利用客は「みどりの窓口」で長距離切符を購入し、「みどりの券売機」で購入する人はたまに見かける程度だ。ましてや「みどりの券売機」を操作する高齢者は見たことがない。
筆者は「みどりの券売機」を愛用しているが「みどりの窓口」を使いたくなる気持ちもわかる。区間や曜日をタッチパネルで選択する手間を考えると、駅員に口頭で伝える方が楽だ。また機械好きな私であっても、たまに操作に迷うことがある。
筆者が利用する駅から「みどりの窓口」が廃止され、オペレーター機能がある「みどりの券売機プラス」を新たに設置しても、券売機の前で立ち往生する高齢者はいるだろう。
どれだけ操作性に優れていても、「みどりの窓口」廃止後しばらくは「みどりの券売機プラス」の操作に不慣れな高齢者をサポートするスタッフが必要になるとみられる。郵便局で高齢者にATMの操作を教える郵便局員のような感じだ。
高齢者にもやさしい駅づくりと、効率化。両立の難しい課題だが、JR西日本の手腕に期待したい。
(フリーライター 新田浩之)