「負け犬」論争から17年 酒井順子さんに聞く女性たちの「あの頃」と「今」【インタビュー】

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   「未婚、子ナシ、30代以上」。エッセイストの酒井順子さん(54)は2002年、こんな女性についての雑誌コラムを35歳のときに連載した。翌年、「負け犬の遠吠え」という刺激的なタイトルで単行本化されると、メディアなどで議論が沸き起こって社会現象にもなった。

   高学歴で収入もあってという未婚のキャリアウーマンの姿を描いたが、その後はどうなっているのだろうか。当時を振り返りながら、「負け犬」の現在について、酒井さんに語ってもらった。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 野口博之)

  • インタビューに答える酒井順子さん
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  • 11月に出た最新刊「ガラスの50代」(講談社刊)
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今書くとしたら、30歳でというのは早すぎるかも

――酒井さんは、「負け犬の遠吠え」の連載を始められたとき、なぜ当時の年齢の35歳以上ではなく、30代にしたのでしょうか?30歳ですと、子供を産めるタイムリミットは、当時でも差し迫っていたわけではないと思いますが...。

酒井: 20代と30代というのは、やはり少し違うニュアンスがあるということで30代にしたのだと思います。当時の方が、30代になることに重みがあったと言いますか。時代が変わってきましたので、今もしそういうことを書くとしたら、30歳で負け犬呼ばわりというのは早すぎるかな、と思いますし、独身子なしの女性を「負け犬」呼ばわりすること自体も、今はもうできないのではないでしょうか。

――「負け犬」という表現を使うことは、同い年で独身の女性編集者と話し合って決めたそうですね。毎日が楽しいと言うと、世間からは「負け犬の遠吠え」と思われると。今なら、女性へのセクハラや差別だとSNS上で炎上しかねないですが、マイナスイメージであっても、犬ならかわいいという判断があったのですか?

酒井: そういうわけでもないんですけど(笑)。タイトルを先に決めて連載が始まる中で、犬になぞらえて「負け犬」がいるなら「勝ち犬」もいるよね、という話にしていったところはありますね。当時、負け犬論争みたいなものが起きたというのは、今で言うなら炎上ということなんでしょうけど、やはり勝手に負け犬呼ばわりされるということを快く思わなかった方はたくさんいたと思います。
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