Facebookの反トラスト法訴訟 米当局の主張と、立証への「必要条件」

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FBのビジネスモデルと戦略は

   提訴の当否を考える前に、まずFBのビジネスモデルと戦略をみておこう。

   FBの2020年9月の月間利用者数は世界で27億万人余り、インスタグラムやワッツアップを含めると32億人に達し、その膨大な利用者データを使って居住地や年齢、嗜好などに応じて広告の配信対象を絞り込む「ターゲティング広告」で大きな収益を上げている。ここで重要になるのは、ビッグデータが基礎になるということであり、そのために利用者の囲い込みにFBはじめIT大手はしのぎを削っているということだ。

   そこで、FBは3つの手法を駆使してきたとされる。今回の提訴に加わった州司法当局の訴えのなかで「買うか、葬るか(buy or bury)」という戦略を指摘している。インスタグラムなどは買収する一方、先述のFBサービスからの排除で多くの新興企業が「葬られた」(ニューヨーク司法長官)。この2つの手法に加え、「模倣」もいとわず、写真・動画共有アプリ「スナップチャット」や、中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」が若者に受けて急成長すると、FBに類似サービスを導入した。

   こうした手法の是非が、今回の提訴の争点になるが、実は、インスタグラムとワッツアップの買収はFTCの認可を受けて行われたもの。FBは当然のことながら、「歴史を修正しようとするものだ」と反発しているが、FTCなどは、昨年来の調査で、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が2008年に「競争するよりも買うほうがよい」と電子メールで言及するなど、競争相手を飲み込むことで挑戦を退けようとしていたことを示す新事実が判明したと強調する。

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