2020年に大ヒットした映画「鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌「炎(ほむら)」がレコード大賞に輝いたことで、賞への評価が急速に高まっている。
以前とは違い、一番売れた曲が選ばれたとの見方が多いからだ。アニメソングの時代が来たのではと、アニメファンからも喜びの声が上がっている。
「久しぶりに世間の評価と一致した結果」との声も
発表の瞬間、「炎」を歌った歌手のLiSAさん(33)は、両手を顔に当て、うれし涙を流した。
感激の面持ちでステージに上がると、お世話になった人々の名前を挙げ、感謝の気持ちを示す。感極まった様子だったが、それでもエンディングでは、持てる力を振り絞るように歌い上げた。
日本レコード大賞の最終審査会が2020年12月30日夜、東京都内で行われ、LiSAさんの受賞が決まると、ニュースのコメント欄やツイッター上などでは驚きと喜びの声が次々に上がった。
今回は、レコ大を評価する向きが多く、「今年の歌にふさわしい歌と歌手」「久しぶりに世間の評価と一致した結果になった」「ちゃんと売れた曲を大賞にしたらレコ大の権威は上がる」などと書き込まれている。
アニメファンも反応しており、「ついにアニソン天下か」「名実共に日本一のアニソン歌手になれたな」とエールが送られていた。
ヤフーニュースが「第62回日本レコード大賞に納得?」と題して「みんなの意見」を募ると、31日夕現在で86%が「納得できる」と答えている。
「名前を呼ばれた瞬間、これまでの色んな景色や顔が浮かんだ」
LiSAさんは、10年前にメジャーデビューして、アニソンの世界で着実に地位を築いてきた。
その世界を超えて注目を集め始めたのが、2019年だ。テレビアニメ「鬼滅の刃」のオープニングテーマ「紅蓮華(ぐれんげ)」を歌ってヒットし、同年のNHK紅白歌合戦にも初出場した。そして、今回の「炎」で、通算17作目で初のオリコンシングルチャート1位となるなど、社会現象になるまでブレークした。
LiSAさんは、レコ大大賞受賞について、「名前を呼ばれた瞬間、これまでの色んな景色や顔が浮かびました。皆と一生懸命歩いてきたからいただけた賞です」とツイッターで報告した。この快挙に、「炎」を作詞・作曲した梶浦由記さんも、「LiSAさんわざわざ私の名前まで出して下さって、本当にいつもたくさんお気遣いいただいて...」「作曲家冥利に尽きる」とお祝いの言葉を送った。
なお、LiSAさんは、31日夜に放送されるNHK紅白の後半戦で、鬼滅の刃のメドレーを披露する予定だ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)