河野太郎・行政改革担当相が、ウェブ会議サービス「Zoom(ズーム)」についての持論を語り、注目されている。
河野氏はツイッターで、オンライン上で行われる多くの国際会議でZoomが使われていると説明するが、リプライ(返答)には賛同に加え、異論や「国産アプリ」を望む声などが寄せられている。
国会議員への「レク」では、すでにZoom解禁
河野氏は2020年12月31日午後、
「Zoomというと条件反射のようにガチャガチャ言い始める人がいるが、多くのオンライン上の国際会議はzoomも使う」
との書き出しからツイート。利用にあたっては、機器を使い分けたり、話す内容を変えたりしているとして、
「なんでもかんでも『こいつはzoomを使ってる』等と言って騒ぐ人は、オンラインで何をどうやっているのだろう」
と投稿した。
Zoomをめぐっては、11月18日の衆院内閣委員会で、後藤祐一衆院議員(立憲民主党)が、国会議員の質問通告などでの利用について質問。河野氏は「霞が関としてしっかり対応できるように、少し検討をスピード感を持ってやっていきたい」との見解を示した。
その後、内閣官房・情報通信技術(IT)総合戦略室と内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が、全省庁に対して職員と国会議員間でのレク(説明など)に解禁すると通知。平井卓也デジタル改革担当相は、
「当該事務連絡を踏まえて各省庁がそれぞれのセキュリティポリシーに基づいてZoom等のウェブ会議システムを利用することで、国会議員へのレクが効率的に行われるようになるということを我々は期待しています」(11月27日の記者会見より)
と話していた。
「国産じゃないと不安」セキュリティ面を懸念する声も
一方で、セキュリティ面を懸念する声も出ている。CNNやロイター(いずれも日本語版)、共同通信などによると、米検察当局は12月、天安門事件に関するビデオ会議を妨害したとして、Zoomの運営企業である米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの中国人元幹部を刑事訴追した。これらを念頭においてか、平井氏は12月27日、
「当然のことながらデジタル庁では、セキュリティ上懸念のある通信インフラや機器は採用しません」
「霞ヶ関のウェブ会議は現状は各府省のLAN上で利用可能なアプリ(Skype for Businessなど)の他、Webexのアカウントを配布し利用可能としています。一部野党からの質問通告など、先方の要請の下、機微情報に当たらない連絡に関してはその他のシステムでも対応しております」
とツイッターで説明している。
冒頭の河野氏ツイートは、投稿から2時間半で約2800リツイート、約1万6000いいねを記録しているが、リプライ(返答)には
「理解して、使い分ける。これ大事」
「なんでも100%安全安心完璧というのはないですもんね」
といった声がある反面で、
「言いたいことはわかりますがやはり国産じゃないと不安なんです」
「ガチャガチャ言うとのことですが、皆、不安なんです。国産アプリ、安全なものを税金で作ってください」
といった反応も出ている。なお河野氏は後藤氏への答弁直後にも、
「質問通告が中国に漏れていいのかと騒ぐ人がいるけど、次の日に国会で質問するんだよ」(11月20日投稿)
とツイートしていた。
Zoomというと条件反射のようにガチャガチャ言い始める人がいるが、多くのオンライン上の国際会議はzoomも使う。もちろんみんな当たり前に機器を使い分けたり、話す内容を変えたりしている。なんでもかんでも「こいつはzoomを使ってる」等と言って騒ぐ人は、オンラインで何をどうやっているのだろう。
— 河野太郎 (@konotarogomame) December 31, 2020