特産の栗で知られる長野県小布施町の公式キャラクター「おぶせくりちゃん」のツイートが物議を醸し、町が公式サイトで謝罪する騒ぎになっている。
感染拡大が続く新型コロナウイルスについて、「ただの風邪」といった内容を繰り返し発言していた。町では、担当職員が誤解を招く発信をしていたとして、チェック体制の不備を認め、公式サイトで謝罪した。
マスクこそ不要不急だとする返信には、「座布団3枚クリ~」
「おぶせくりちゃん」は、町のリサイクルキャラ「リサイくりちゃん」から、2010年9月に新しく生まれ変わった。公式ツイッターでは、語尾に「クリ~」を付ける格言めいた発言を繰り返している。
コロナ禍についての発言もしていたが、20年12月29日ごろには、コロナは騒ぎ過ぎだと言いたげなツイートを繰り返すようになった。
「ただの風邪だったらしいクリ~」「自粛は言われてするものではないクリ~」などとつぶやき、マスクこそ不要不急だとする返信には、「座布団3枚クリ~」などと応えていた。
漫画家の小林よしのりさんが著書に書いた独特の主張については、「コロナ論読もうクリ~」と賛同を示していた。
ツイッターやネット掲示板では、町の公式キャラによる投稿が話題になり、様々な意見が書き込まれている。
「公式でこれはヤバいな」「誰もチェックしてないのかね」「町は何してんだ」などと非難する声は多い。一方、「意思持ってるし普通にいいこと言う」「鋭い切り口が痛快でよかった」と支持する声も一部であった。小林よしのりさんもブログで31日に反応し、「あのゆるキャラは立派に健闘した」などと讃えた。
「町の公式見解とは異なるもの」「疑念や混乱を生じてしまった」
ネット上などで騒ぎになったことを受けて、小布施町は12月30日、「Twitter での発信内容についてのお詫びと見解」などと題した市村良三町長名の文面を公式サイトに出した。
そこでは、ツイートの一部について、「町の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた取り組みに対して誤解を招く内容やリツイートが継続的に行われていた」として、「疑念や混乱を生じてしまった」と謝罪した。「町の公式見解とは異なるもの」だとし、発信を当面見合わせ、再発防止策に取り組むとしている。
原因としては、「組織として、担当職員が発信する内容について十分なチェックを行わないまま発信することを黙認していたことにあり、感染防止策への協力をお願いする立場にある町長として、監督不行き届きであった」と説明した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)