変わるメディア業界、変わらぬ採用システム
人材を入れる「骨組み」である、サイト運営の形も変わってきた。アメリカではBuzzFeedとハフポスト(旧ハフィントン・ポスト)の経営統合が発表され、日本版の行方にも注目が集まっている。昨年発表されたヤフー(Zホールディングス)とLINEの経営統合とともに、国内ネットメディアをめぐる環境は、2021年に大きく変動するだろう。
大手資本からのスピンオフもあった。朝日新聞が運営していた読み物サイト「DANRO」は10月、創刊編集長が買い受ける形で、独立したウェブメディアに。すでに更新を停止し、サイト閉鎖を予定していただけに、極めて珍しいパターンと言えるだろう。
枠組みの変化と平行して、ネットメディアの「中の人」のキャリア論が語られる機会も増えてきた。筆者自身も、自社から発信される記事のみならず、全国ネットのラジオ番組でニュースを毎週解説するなど、その活動の幅が広がってきた。とはいえ、私が就職活動した8年前から、新卒採用しているネットメディア運営企業は少なく、いまなお選択肢は限られている。
当社では新卒入社、あるいは異業種からの第2新卒入社も珍しくないが、業界全体ではまだ、既存メディアからの中途入社が一般的だ。経歴を問わずとも、これから10年、20年と経るなかで、業界全体がどう移り変わるのか。そして、社内でどのような立ち位置につくのか、はたまた「上がり」があるのか......。
既存メディアのようなコースがないなか、キャリアをどう形成していくか。それが20代前半でこの世界に入り、今や中堅世代となった私たちの使命だと信じている。
(J-CASTニュース副編集長 城戸譲)
年明けからJ-CASTニュースの運営体制が変わることになりました。編集長と筆者は退任し、後任はどちらも後輩へ。さらにフレッシュになる編集部を、これからもご愛顧のほど、お願いいたします。
【J-CASTネットメディア時評】
いまインターネットでは、なにが起きているのか。直近の出来事や、話題になった記事を、ネットメディアの「中の人」が論評します。
城戸譲 J-CASTニュース副編集長
1988年、東京生まれ。大学でジャーナリズムを学び、2013年ジェイ・キャスト新卒入社。Jタウンネット編集長などを経て、18年10月より現職。「ニュースをもっと身近に」をモットーに、政治経済からエンタメ、生活情報、炎上ネタまで、真面目とオモシロの両面で日々アンテナを張っている。ラジオとインターネットが大好き。(Twitter:@zurukid)