「中の人」の立ち位置はどこへ
近ごろ、「中の人」の立ち位置が、「外の人」になりつつある気がする。筆者のような記者・編集者も、SNSの普及によって、媒体の枠にとらわれない発信ができるようになった。その結果、個人の主張を広めるために、所属メディアを利用しているように見える場面もある。
時には、媒体に所属する人間が、個人としてのツイートに対して指摘を受け、みずから媒体の外で「再検証」することも。企業広報の例もそうだが、メディアなり運営企業なりに属する「中の人」というよりも、一定の影響力を持つ個人、つまり「外の人」として扱われるようになったのではないか。
もし衆人環視されているにも関わらず、このような変化に気づかず、マジックミラー張りの部屋のように「内側の空間」しか見えていないとしたら――。「かつて『中の人』だった『外の人』」の炎上リスクは、こうした所に根っこがあるような気がする。