クリエイターも支えていきたい
また新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2月ごろ、フリーランスのアニメーターや漫画家アシスタントの窮状も寄せられたという。藤末氏は、こうしたクリエイターも支えていきたいと抱負を語る。
藤末:現在多くのアシスタントやアニメーターは、フリーランスです。会社員であれば中小企業庁による支援制度があり、雇われている人であれば雇用保険や雇用調整金でつなぐことが出来る。しかしフリーランスは個人事業主という定義で、雇われてもいないため支援制度がありませんでした。そこで中小企業庁や厚生労働省とも話をし、国会でも制度に穴があると指摘いたしました。
こうしたフリーランスにも支援するためにも国は「持続化給付金」を支給することを定めた。しかし電通が事実上仕切る「サービスデザイン推進協議会」が受注して電通などにほぼ丸投げで再委託しているとして、世論が反発した。
藤末:今だから申し上げますが、アニメーターやアシスタントなどフリーランスの方を支える新しい制度を作ったということは理解してほしい。『電通なんてけしからん』というお声もいただきましたが、電通がやってくれなければできなかった。力及ばず、使い勝手が悪いという声もいただきました。しかし今までなかった新しい制度を作ったからこそでもあります。現在フリーランスのための持続化給付金は第三次補正予算には入っていません、じくじたる思いがあります。
しかし藤末氏は、フリーランスの支援をあきらめていない。
藤末:フリーランス向けのガイドラインは、年度内に出ます。例えば、多くのアニメーターと制作会社の間では契約書が交わされておらず、口約束により不利な条件になってしまっていることがあります。しかしこうしたアニメーターや漫画アシスタント含むフリーランスの方々が、安心して働いていただけるようなガイドラインを議論してまいります。