ネットニュースとコロナ禍 J-CASTが伝えた2020年【歳末ネットメディア時評】

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どんな取材ができるんだろう

   実際に記事に寄せられた情報によって、事態が進むこともあった。たとえば、青木正典記者が担当した「令和納豆」。クラウドファンディング(CF)の返礼品として、定食の「生涯無料パスポート」が配布されたが、店舗利用時に一方的に没収されたとの口コミが拡散して、注目をあびた事案だ。初報では、口コミをもとに運営企業へ取材依頼を送ったものの、期日までに回答はなかったと伝えていた。しかしその後、パスポート元所有者からの情報提供を受け、専門家の法的見解なども交えて詳報。最終的には、元所有者に対して、支援額だった1万円全額の返金対応をとると発表された。

   地道な取材が実を結ぶケースも。「『やらせ口コミ』業者の正体 事務所にスマホ60台...1件8000円~で虚偽レビュー」では、GoogleマイビジネスやAmazon、食べログなどの口コミサイトに、虚偽レビューを書き込む「口コミ代行業者」を谷本陵記者が追った。複数関係者の証言や内部資料、公開情報に加えて、契約企業の明かす「後悔」も調査報道。「ネットの闇」の実態を伝えた。

   限られたリソースでも、できることは何だろう。ソーシャルディスタンスで感染リスクが抑えられた反面、人間関係が疎遠になることも増えた。不安な日々が続くなかで、少しでも読者に寄り添い、偉ぶらない「生の声」を届けたい。そんな一心で駆け抜けた一年だった。

(J-CASTニュース副編集長 城戸譲)

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【J-CASTネットメディア時評】
いまインターネットでは、なにが起きているのか。直近の出来事や、話題になった記事を、ネットメディアの「中の人」が論評します。

城戸譲 J-CASTニュース副編集長
1988年、東京生まれ。大学でジャーナリズムを学び、2013年ジェイ・キャスト新卒入社。Jタウンネット編集長などを経て、18年10月より現職。「ニュースをもっと身近に」をモットーに、政治経済からエンタメ、生活情報、炎上ネタまで、真面目とオモシロの両面で日々アンテナを張っている。ラジオとインターネットが大好き。(Twitter:@zurukid

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