「井上に挑戦するのは得策ではない」
果たして井上の次戦はどうなるのか。「ウルトラC」として浮上するのが、WBC王者ウバーリとの対戦だ。暫定王者のガバリョはウバーリとの統一戦を義務付けられているものの、ロドリゲスとの再戦は避けられそうにない。再戦が実現すれば、この間ウバーリのスケジュールは空く。WBCがウバーリと井上との王座統一戦を承認すれば、スケジュール的に来春にも実現可能となるだろう。
この「ウルトラC」の前提としてあるのが、IBFの指名試合の後ろ倒しだ。現状、IBFの指名挑戦者マイケル・ダスマリナス(フィリピン)は1年以上も待たされている。王座統一戦を優先させるために井上陣営がどこまでダスマリナス陣営を待たせることが出来るか。関係者の中には「井上に挑戦するのは得策ではない」と指摘する声もあり、ダスマリナス陣営の動向に注目される。
来春にも井上がウバーリとの対戦が実現すれば、その先はおのずと見えてくる。IBFの指名試合を視野に入れつつWBO王座との統一戦の機会をうかがう。理想では、IBFの指名試合をこなした後、年末にカシメロ、もしくはリゴンドーとの王座統一戦だろう。順調に事が進めば井上の4団体統一は来年中に成し遂げられる可能性を秘めている。いずれにせよ2021年の世界バンタム級は井上が「主役」であることは間違いないだろう。