気づかなかったことも「無理やりにでも変わっていかざるを得ない」 曽我部恵一が、コロナ禍の今考えること

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「どれが正しい、どれが間違っている、っていうのは、今の日本においてはない」

   ――(12月10日時点)最近また感染者が増えていますが、コロナ禍では「自粛」と「経済優先」、あるいは「地方」と「都市」といったように、あらゆる対立軸が表面化したようにも思えます。

曽我部:それだけ、国民が選択に迫られる局面がいっぱいあるっていうことですよね。このままのらりくらりやるか、ビシッとした立場を国が定めて「これでやるから」っていうのか。どっちしかないじゃないですか。どっちにしてもメリットとデメリットがあるものだから。でも、国としての立場がここまでゆるい国って先進国であるのかなって思うんですけどね。日本って、なんとなく「気をつけてくださいね」って言いながら、全く逆の政策をとっているじゃないですか。GoToの延長とか。『この人ら整合性がないな』っていうのは子供が見てもわかると思う。全部が矛盾している。でも、どうしようもないでしょうね。こちらを立てたらあちらが...っていうのはめちゃくちゃあるんだと思います。我々の社会もそう。でも、それと同じ感じで国の政策としてやられても困るというか。まずはそこがしっかりしないと。自分たち国民の動き方が、それぞれの価値観、判断基準にしかならない。

   ――「自己責任社会」の弊害とも言えますよね。

曽我部:うん。お店を開けるかどうかというのも「あなたたちに委ねますよ」って言われちゃってるわけだから、それをみんな一生懸命考えて、それぞれの選択をしているっていう状況なんでしょうね。どれが正しい、どれが間違っている、っていうのは、今の日本においてはない。
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