立憲民主党の羽田雄一郎参院議員(53)が2020年12月27日午後に急逝した。通常、著名人の死去はその死因も一緒に明らかになることが多いが、羽田氏の死因が新型コロナウイルス感染症だと明らかになったのは、訃報からまる1日が経とうとする頃だった。
羽田氏は数日前から発熱を訴えており、PCR検査を受けようとする矢先の急逝だった。現職国会議員としては初のコロナによる犠牲者に、永田町は一転、緊迫ムードだ。
新聞の訃報でも詳細わからず
羽田氏は故・羽田孜元首相の長男で、1999年の参院長野選挙区の補選で民主党(当時)から出馬し、初当選。民主党の野田政権では国交相を務め、政権転落後は国民民主党を経て、合流新党(現・立憲民主党)に参加。20年10月には会派の参院幹事長に就任していた。
羽田氏の訃報が伝わったのは20年12月27日夜。日本テレビが19時16分、TBSが19時18分にニュース速報のテロップで羽田氏の死去を伝えた。それ以外のメディアも相次いで訃報を流したが、いずれも死因には触れておらず、憶測が広がった。そんな中で19時23分、何者かがウィキペディアの羽田氏の項目に「2020年12月27日自宅前で刺殺され死去」と書き込んだ。出典も示されない「デマ」の類の書き込みで、直後に削除されたが、憶測に拍車をかける形になった。
20時26分になって立憲の福山哲郎幹事長は
「ご病気によるご逝去と伺いました。あまりに突然のことで、悲しみで言葉もありません。明日、立憲民主党として改めてご報告させていただきます」
とツイートし、急逝の原因は「病気」だと明らかにした。ただ、その後も情報は乏しく、例えば朝日新聞の12月28日付朝刊に掲載された訃報でも死因には言及していない。羽田氏が数日前から風邪の症状を訴えており、PCR検査を控える中での容体急変だったことに触れたうえで、福山氏のツイートを引用するにとどめていた。