宅配の指定時間を守らなかったとして、客からお金を投げつけられたなどとするツイッター上の投稿が、反響を呼んでいる。
コロナ禍で在宅時間が長くなりネット注文が増えているが、配達員の負担も大きくなってきているのだろうか。
コロナ禍でネット注文が増え、配達員にしわ寄せが?
ネット注文増加で荷物が多すぎて、指定時間を守れないことが多く、毎日のように客から怒られる――配達員の家族を名乗るあるユーザーは2020年12月25日、ツイッターでこんな苦境を明かした。
外出の自粛でイライラしているのか、客からお金を投げつけられることもあるという。帰宅が深夜11時を過ぎるような毎日で、家族そろってクリスマスケーキも食べられないと嘆いた。
これらのツイートはその後非公開になったが、大きな反響を集め、様々な意見が寄せられている。
「客は高いお金を払って配達をお願いしているんだから、指定日時に届けてもらわないと困る」といった異論も出たが、配達員へのエールの方が多い。「この時期はどうにもなりませんよね」「お客様は神様ではない!」「本当に自分のことしか考えない人が増えたもんだ... 感謝の気持ちがないのかね」などの声が寄せられている。
宅配便は、年々利用が増えており、国交省の統計によると、その取り扱いは、2019年度まで5年連続で過去最多を更新した。20年度は、コロナ禍でネット注文が増え、9月までの前期は、ヤマト運輸で前年同期と比べて取り扱いが13%増え、日本郵便のゆうパックも21%増となった。
「クレームが増えたか分からないが、配達員への激励の方が多い」
もっとも、在宅時間が増えたほか、置き配も定着してきて、国交省によると、10月の再配達率は11%と、前年同月比4ポイントほど減ってはいる。しかし、ネット注文増加の影響の方が大きく、配達員の負担は増大しているのだろうか。
宅配大手の1つヤマトホールディングスの広報担当者は12月25日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。
「11月までを見てみますと、例年に比べて、全体的に宅配の取り扱いが増えているのは事実です。しかし、適正な体制を組んでおり、通常通り届けられるように配達しています。玄関前に置くなども選べるサービス『イージー』の導入や薬局など受け取り拠点の拡充などの対策を進めています。指定時間に届けられないことが増えているわけでもないと思いますね。仕事が深夜に及ぶようになったとは、確認しておらず、適切に労務管理していると考えています」
客からのクレームについては、増えているかどうかは確認していないというが、配達員への激励の方が多いとしている。
前出の配達員は、労働環境の悪い一部業者で働いている可能性はあるが、ネット注文増加によるしわ寄せがあるとすれば、環境改善の必要がありそうだ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)