新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べるPCR検査を格安で受けられる民間施設が東京都心を中心に相次ぎ開設されている。公費ではなく、自費で検査を受ける場合、これまでは数万円もかかっていたが、数千円程度で可能となり、帰省や出張を前に感染しているか知りたいという人たちが殺到している。
東京・新橋駅の近くに2020年12月4日にオープンした「新型コロナPCR検査センター」の前には連日、長い行列が途切れず続いている。センターは工務店事業を展開する木下グループ(新宿区)が運営し、費用は個人の場合、1人3190円(税込み、以下同)。ウェブサイトなどで受け付ける完全予約制だ。利用者は店舗に足を運び、自分で唾液をとって提出する。所要時間は3分程度で、検査結果は翌日、本人にメールで通知されるという。
首都圏のほか地方にも拡大する計画も
グループ内の医療法人が監修しているうえ、本業である工務店事業のノウハウを施設設置などに生かしたことで低価格が実現できたという。「少しでも安心できる日常生活を送れるような環境作りに貢献したい」としている。
高齢の親が待っている実家に帰省したいという人や、出張などで遠出をする会社員など、必要に迫られて検査を望む人が多いという。新宿・歌舞伎町に2号施設を出しており、首都圏のほか地方にも拡大する計画だ。
また、理化学研究所から発したベンチャー企業、ダナフォーム(横浜市)は10日、東京駅のそばに検査センターをオープンした。検査費用は1980円で、木下グループよりさらに低価格だ。理研などが開発した手法や試薬などを用いることで、低価格や迅速性につながったという。検査結果は翌日に通知するが、当日に通知するクイック通知(9900円)も可能だ。また、ソフトバンクグループも、自宅などで唾液を採取し、検査センターに送付する検査事業(税別、配送料等別で2000円)を9月から実施している。