尾身茂会長、首相会見で懸命に語った「やるべきこと」 一体となれば感染状況「下方に転じる」ことはできる

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「緊急事態宣言を出すとか出さないとか(の前に)、やるべきことの1つは...」

   さらに尾身氏は「もう少し時間を頂きたい」と断りながら、これからの対策の取り方について説明した。

「今やるべきことは、緊急事態宣言を出した4月時点とは2つの点で違う。1点目は、4月は『最低7割、極力8割の接触機会の低減』という極めて広範で強力な対策をしたが、今は半年以上の経験をしたことで対策の『急所』が分かっている。2点目は、多くの人が国や自治体の要請に応えていただいているが、『慣れ』もあり、行政への協力が得られにくくなっている。

『急所』は3つ。これを集中的にやることが重要になる。(1)感染リスクが高まる5つの場面、総理も言ったように、飲食を介した感染リスクが高いので、そこを徹底的に抑えること。(2)飲食以外の場でも少人数、できれば4人以下で、いつも一緒にいる家族や友人と過ごすこと。(3)国、自治体のリーダーがさらなる市民の協力を得るべく、一体感を持って明確なメッセージと具体的な対策を提示すること。こうした急所を、国、自治体、国民、事業者が一体となって行えば、私は今の感染状況を下方に転じることは可能だと思っている」

   こうした発言に対し、「緊急事態宣言の発令なしに国民の行動変容は可能か?」という質問があった。菅氏は、

「私自身は可能だと思っています。ありとあらゆる機会に現状を丁寧に説明させていただければ、必ずご理解いただけると思っております」

と自信を示したが、尾身氏はこれまでの対策を振り返る必要性を強調した。

「4月の緊急事態宣言は広範で強い対策を打った。その中には、今考えると必ずしも必要でないものもあった可能性がある。なぜならあの頃はまだ何をしたらいいのか分からず暗中模索だった。今はだんだんと分かってきている。今までの対策を振り返り、こうあったらいいなと思うものがある。

緊急事態宣言を出すとか出さないとか(の前に)、やるべきことの1つは、たとえば時短(要請)の話。それは知事が明確で強力なメッセージを出してもらうことが必要だ。国でも、要請を守ってもらえるインセンティブのようなものを(提示)すること。緊急事態宣言を出しても、それ(インセンティブ)がないとなかなか(要請に応じてもらうことは)難しいと分かった。

私は、これまでの半年以上の対応の中で何が問題だったか、ということを十分に吟味し、その問題点を押さえていくこと、その結果、特措法の改正であったり(を行う)。そうするのが一番効果的であり、現実的であり、求められていることだと思う」

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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