クリスマス・ツリーを飾るユダヤ教徒
ユダヤ人のティファニー(30代)は、この季節にユダヤ教の「ハヌカ」も、クリスマスも祝う。マンハッタンのアパートには毎年、クリスマス・ツリーを飾る。
「自分から『メリー・クリスマス』と挨拶することもあるし、そう挨拶されても嫌な気分になんてならないわ。お祝い事はたくさんあったほうが楽しいでしょう」と話す。
厳格にユダヤ教の戒律を守る正統派ユダヤ教徒の友人デビー(50代)は、クリスマスを祝うことはない。
「『メリー・クリスマス』と挨拶されても、ユダヤ人だからって殺されなければ、別に悪い気はしないわ」とホロコーストに言及して苦笑する。
デビーはユダヤ教の「ハヌカ」の時期に、ユダヤ教徒ではない私にも「ハッピー・ハヌカ」と挨拶するので、私もそう挨拶し返す。
私に「あなたを家族の一員のように思っているから」と彼女は言うが、私もそのように感じて嬉しい。
マンハッタン中心部にある有名デパート「メイシーズ」の店員2人に、この季節の客への挨拶について尋ねると、「企業としてとくに指示されることはない」と答えた。
「クリスマスを祝わない人もいるから、『ハッピー・ホリデーズ』と声をかけることが多いけれど、時には『メリー・クリスマス』と言うこともあるわ。どっちにしたって、気持ちのいい楽しい挨拶なのだから、お客さんに文句を言われたことなんてないわよ」と口を揃える。