「著名人」と「下克上」の魑魅魍魎
SNSには、もともと有名だった人物が、さらに影響力を高める側面もある。「お金配りおじさん」ことZOZO創業者の前澤友作氏が、1月に2度目の「お年玉」キャンペーンを行って以降、ツイッターのトレンド欄に、同氏や人気YouTuberによる金銭プレゼント関連のハッシュタグが上がることも増えた。一方で、「なりすまし」も多数登場し、なかには公式バッジ(認証済みアカウント)を付けているものも。来年1月のツイッターポリシー改正によって、バッジ制度の運用は是正される方向だが、当面はユーザーにも、ある程度のリテラシーが欠かせないだろう。
下克上を目指すには、目立つしかない――。そんな発想から、過激さを追求してしまう例もある。「迷惑系YouTuber」の代表例である「へずまりゅう」は、スーパー店内で購入前の魚を食べ、その動画をアップロードしたとして、7月に愛知県警に逮捕された。しかし逮捕から数日後、新型コロナウイルスの感染が確認され、症状が出ていながらの「全国行脚」に批判が集まった。12月には「へずまりゅうの弟子」を名乗る人物も、墓地で卒塔婆(そとば)などを振り回したとして、礼拝所不敬容疑で逮捕されている。