安倍氏「追及」会見で「再登板を求める声も...」 記者質問に批判、識者もバッサリ

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   安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の費用補填をめぐり、配川博之公設第一秘書が略式起訴、安倍氏が不起訴処分となった問題で、安倍氏は2020年12月24日、衆議院議員会館で記者会見を開いた。

   会見では疑惑への追及が行われたが、「茶番すぎる」「再登板とか質問がでる会見もうだめだね」――国民の間では安倍氏と報道陣、双方への失望感が広がっている。

  • 安倍晋三前首相(2020年8月撮影=当時は首相在任中)
    安倍晋三前首相(2020年8月撮影=当時は首相在任中)
  • 安倍晋三前首相(2020年8月撮影=当時は首相在任中)

秘書間の連係不足に起因と説明

   会見は与党を対象とした記者クラブ「平河クラブ」加盟のメディアに限定し、各社1人(計24人)のみ参加が許された。司会は長谷川栄一・元内閣広報官が務めた。

   安倍氏をめぐっては、「桜を見る会」前夜祭の収支が2016年から4年間で3000万円ほど政治資金収支報告書に記載されておらず、衆院調査局の調べでは国会で118回の虚偽答弁をしていた。

   会見で安倍氏は「道義的責任」を認めて陳謝したものの、

「前任者が記載すべきものを記載していなかったことによって、後任の東京の責任者もそのまま放置をしてしまったということでありまして、東京の事務所と地元の事務所の連絡、連携が不十分であった」
「当時の知るかぎりを答弁したつもりだが、結果として、答弁の中には事実に反するものがあった」

と責任の所在は秘書にあるとの立場を崩さなかった。

   関与していた配川氏と東京の私設秘書は今日付で辞職したという。自身の進退については「初心に立ち返り、全力を尽くすことで職責を果たす」と議員辞職を否定した。

「これほど記者クラブの存在に幻滅したことはない」

   まさしく"疑惑のデパート"の様相を呈し、会見では詰問が続いたが、SNS上では

「茶番すぎる」「国民が聞きたいことをもっとしっかり聞いてほしい」「これほど記者クラブの存在に幻滅したことはない」「記者から鋭い質問もあったけど、ぜんぜん答えてない」

と不満げな書き込みが相次いだ。

   新聞記者の「今後、自民党内が安倍前総理の再登板を求める声もあると思うんですけど、こういった声にはどのようにお応えされますでしょうか」との質問に対しては、「質問聞いた時、失笑だった」「これ聞いた時この会見やらせだなと思いました」「再登板とか質問がでる会見もうだめだね」とあきれ気味の様子だ。

   立憲民主党の蓮舫参院議員も「(総理大臣への)再登板は?」と聞いた記者がいました...」と同調し、戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏は「質問ですらない『応援コメント』を寄せていた。日本の政治報道の堕落は底が抜けた」と厳しく非難した。

   前東京都知事の舛添要一氏は「法的には決着だが、政治的責任を国民がどう判断するかだ。ポピュリズム下では世論が去就を決めるが、これで安倍氏の首相再登板は不可能になったようだ」との見立てを示している。

   なお、安倍氏は再登板について「まずは私自身が真の意味で国民の信頼を回復するために努力を重ねていかなければならない」と否定しなかった。

   安倍氏は明日25日にも、国会での説明を予定する。

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