IT企業「アスツール」(東京都渋谷区)は2020年12月23日、スマートフォン向けブラウザアプリ「Smooz(スムーズ)」のサービス終了を発表した。
同アプリをめぐっては、不適切な形でユーザー情報を収集しているとの指摘が相次ぎ、いわゆる「炎上」状態になっていた。
閲覧情報がアスツール社のサーバーに送信されている
スムーズは、操作性やポイントが貯められる機能が人気で、16年にはApp Storeのベストアプリに選ばれた。2020年11月時点で210万ダウンロードを誇る。
騒動は、2020年12月17日付の個人ブログ記事「国産ブラウザアプリSmoozはあなたの閲覧情報をすべて外部送信している」をきっかけに広がった。
ブログでは、 「デフォルトの設定では、設定・操作・閲覧情報がユーザーID、デバイスIDと共にアスツール社のサーバーへ送信されている」「サービス利用データの提供設定をオフにしても、閲覧情報がアスツール社のサーバーに送信されている」「プライベートモードにしても、閲覧情報がアスツール社のサーバーに送信されている」「https通信であろうとも閲覧したURLは完全な形でアスツール社のサーバーに送信されている」などと問題点を列挙していた。
アスツールの加藤雄一社長は17日、
「Smoozは、おすすめ記事をパーソナライズしブラウジング体験を快適なものとするために、行動履歴や検索履歴のデータを収集しております。ご利用者様のプライバシーを侵害するデータの収集を目的とするアプリではございません」
「プライベートモード利用時または『サービス利用データの提供』をオフにした時には、サーバーへの全てのデータ送信を停止する設計にしておりましたが、弊社側で調査をしたところ、実際には一部の情報送信が止まっていないことが分かりました」
などとコメントを発表し、早急に対応するとしていた。
20日には新たな問題が見つかったとして、アプリストア(App Store、Google Play)への配信を停止していた。
J-CASTニュースは21日、アスツールに(1)収集データに住所、氏名、ウェブサービスのID・パスワード、クレジットカード情報、口座情報など機密性の高い情報は含まれているか(2)収集した情報を第三者に提供していた事実はあるか――などを質していたが、期日までに回答はなかった。