ボクシングのWBC世界バンタム級暫定王座決定戦の判定が波紋を広げている。暫定王座決定戦は2020年12月19日(日本時間20日)に米コネチカット州で行われ、レイマート・ガバリョ(フィリピン)が、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を2-1の判定で下し王座を獲得。判定を不服としてロドリゲス陣営がWBCに再戦を要求する一方で、ガバリョの母国フィリピンメディアはガバリョの勝利を支持している。
米専門メディア「疑わしい判定」
暫定王座決定戦は2-1のスプリット判定となり、2人のジャッジがガバリョを支持(116-112、115-113)。残り1人が118-110でロドリゲスを支持した。試合展開はカウンター狙いのロドリゲスに対してガバリョが手数で対抗。ロドリゲスのパンチが的確にガバリョの顔面をとらえていただけに、米専門メディアのなかには「疑わしい判定」と報じるものもあった。
フィリピンメディア「ABS-CBN」(WEB版)は、格闘技評論家エド・トレンティーノ氏の見解を紹介。トレンティーノ氏は「WBCはガバリョとロドリゲスの試合結果であるスプリット判定を覆す可能性は低い」と語り、「彼(ロドリゲス)は何度かガバリョをぐらつかせたが、その機会を利用できなかった」と分析している。
また、フィリピンメディア「The Manila Times」は、ガバリョが判定で勝利した時、多くの人がショックを受けたとしながらも、ガバリョはその攻撃性によって勝利したと報じている。「The Manila Times」は米専門誌「ザ・リング」のビデオインタビューを引用し、ガバリョのコメントを紹介している。
「私はロドリゲスに圧力をかけました」
ガバリョはビデオインタビューで「私は(ロドリゲスに)圧力をかけました、私はいつも前に出ていました。私はいつもパンチを出していたので、おそらく彼ら(ジャッジ)は私が戦いに勝ったとみたのだろう」と勝因について語っている。
一方、米専門メディアによると、ロドリゲス陣営はWBCに対して120日以内の再戦を要求しているという。ロドリゲスのマネジャーであるファン・オレンゴ氏は、判定結果についてWBCに抗議したことを明かしており、再戦に関してはWBCの裁定待ちの状態にあるという。