「もう看護師はしない」ツイートが大反響 背景には「労働環境・待遇への不満」も...

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   勤め先の病院を辞め、もう看護師はしないと明言したツイッター上の投稿が、大きな反響を呼んでいる。

   理由ははっきりしないが、コロナ禍の中での待遇面の不満もあると見られている。日本看護協会も2020年12月22日に記者会見し、看護師の労働環境が悪化して、離職も相次いでいることを明らかにした。

  • 環境悪化で離職も相次いで…(写真はイメージ)
    環境悪化で離職も相次いで…(写真はイメージ)
  • 環境悪化で離職も相次いで…(写真はイメージ)

看護師がトイレ掃除や衣類の洗濯などもしなければならず...

   ツイートした看護師は、大学を出て3年ぐらいこの仕事を続け、患者にほめられてうれしかったときもあるが、上司とうまくいかず、精神的にも参ってしまったとして、度々仕事を辞めたいと明かしていた。

   待遇面にも不満があったらしく、8月には「お金配りおじさん」を自称するZOZO創業者の前澤友作さんに向け、医療従事者限定でお願いできないかとツイートしていたほどだ。

   その後も、仕事への愚痴は続き、12月20日ごろになって、看護師を辞め、もう2度としないと告白した。

   このツイートには、10万件以上もの「いいね」が寄せられ、看護師にねぎらいの言葉がかけられている。同時に、同職とみられる人たちから、その気持ちが分かるとして、自分も辞めたいと漏らす声も相次いでいた。

   医療関係者にとっては、この春からコロナ対応を強いられており、疲労も相当たまっているようだ。労働環境の悪化などから、看護師らが大量退職した病院も報じられているが、日本看護協会は22日、東京都内で記者会見して、さらに環境が悪化している現状を明らかにした。

   それによると、清掃業者などが感染を恐れて来ないため、看護師がトイレ掃除や衣類の洗濯などもしなければならず、年末で辞めたいとの申し出も少なくないという。

診療報酬を引き上げたが、「看護師への支払いは不明」と厚労省

   看護協会が春ごろに行った調査では、15%の病院で環境悪化などによる離職があり、感染症対応の病院では、21%にも上った。その結果もあってか、看護師が不足しているとした感染症対応の病院は、45%もあることが分かった。

   また、看護師などの20%が差別や偏見を受けた経験があると答え、家族や親族が周囲の人から心ない言葉を言われたと答えた人は、27%にも上った。その一方で、新型コロナウイルスに感染したと答えた看護師は、0.2%に留まっている。

   これは第1波のときの状況だけに、第3波では、さらに数字が変わっている可能性がありそうだ。

   日本看護管理学会は12月10日、「国民の皆さまへ」と題した声明を公式サイトに出し、依然として差別や偏見が多く、看護に専念できない状況があることを明かした。第1波のときの状況が改善していない形で、別府千恵理事長は22日、「今回の声明文を出させていただくことで、地道に看護職の状況を国民の皆様に理解していただくことが偏見や差別をなくすことにつながると考えています」とJ-CASTニュースの取材に答えた。

   政府も、看護師の待遇改善に向けて、対策は進めている。

   厚労省では、4月から段階的に診療報酬を引き上げ、9月ごろからは、医療従事者への慰労金の支給を始めた。危険手当として引き上げ分を看護師に支給する病院もあるというが、「診療報酬は、使途を指定しておらず病院が自由に使えますので、どのくらい看護師に支払われているかは分かりません」(医療課)という。また、看護師の離職率についても、「医療機関に負担がかかりますので、集計はしていないです。離職の理由についても、同様に把握できていません」(看護課)と答えた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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