「子どもたち全員に『必ず書いてください』とはお願いしていません」
東京都教育庁の総務部教育政策課の担当者は22日、J-CASTニュースの取材に、「感謝のお手紙は、都内の公立・私立の小中学校すべてを対象にしています。私立の所管は生活文化局ですが、一緒に調整しています」と話す。
東京都の統計によると、都内には20年度現在、公立・私立の小中学校は合わせて2100校以上ある。どの学校からどの医療機関に手紙が届けられるかは「分からない」。担当者は「『医療従事者の皆様へ』という形でお手紙を書いてもらい、コロナ禍の年末年始も働いている医療従事者の皆様へ届くよう調整しています」と話す。
感謝の手紙は、都から公立小中学校の設置者である区市町村の教育委員会に伝え、各教委が学校に伝える流れ。年賀状といっても官製はがきの年賀状を使うわけでなく、はがきサイズのカードにメッセージやイラストをかいてもらう。でき上がったら各学校が都の教育委員会に送り、都教委から各医療機関に渡す。
ネットで指摘されている「仕向けてやってもらうものではない」という声に対して、担当者は「その通りだと思います」とうなずく。
「都としても、子どもたち全員に『必ず書いてください』とはお願いしていませんし、とてもお願いできません。『(最低でも)何人が書くように』といったことも一切言っていません。あくまで『医療機関の皆様を応援しませんか』という呼びかけをしています。『○年生が書こう』といったことも含め、書き方は学校ごとの判断に任せています」
「ありがた迷惑」にならないかという指摘に対してはこう話す。
「そこを考え出すと何もメッセージを送れません。また、受け取った医療従事者の皆様がお礼やお返事をする必要ももちろんありません。受け手がどう感じるか次第ですが、励みになればいいなという思いでやっています」
学校生活で我慢を強いられている子どもたちだが、感謝の手紙を書くことにはこんな意味もあるという。
「子どもたちが現在の社会状況と無関係なのかというと、そうではありません。コロナ禍で社会に対してできることを考えると、医療従事者にメッセージを送ることは1つの教育活動にもなると思っています」