英国で新型コロナウイルスの変異種が見つかり、欧州各国は英国との往来を規制し始めた。
加藤勝信官房長官は2020年12月21日の記者会見で、現時点では変異したウイルスは日本国内では確認されていないとした上で、変異種に対する水際対策については「我が国は元々英国を上陸拒否の対象国にしている」「感染状況などを見つつ、慎重に対応していく」などと述べるにとどめた。
「我が国は元々英国を上陸拒否の対象国にしている」
英国のジョンソン首相が12月19日の記者会見で明らかにしたところによると、変異種は従来の新型コロナウイルスよりも最大で7割感染が広がりやすく、最近の英国南東部での感染急拡大の背景には、この変異種の存在があるという。変異種が従来型よりも致死率が高かったり、重症化しやすかったり、ワクチンの効果が低かったりする「証拠はない」とする一方で、12月20日からロンドンなどで外出制限や営業停止などの措置を強化している。
英BBCによると、12月21日時点でアイルランド、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギーが英国からの受け入れを停止。フランスは、陸路や海路による貨物の往来も規制している。
では、日本側の対応はどうか。
加藤氏は記者会見で、変異種について
「国立感染症研究所によると、わが国において同様の変異をしたウイルスは確認されていない」
と説明。英国政府や世界保健機関(WHO)と連携して対策に努めていきたいとしながら、英国からの水際対策については
「英国からの入国については、我が国は元々英国を上陸拒否の対象国にしている。特段の事情のない限り、新規入国は原則禁止としている。英国からの入国については、感染状況などを見つつ、慎重に対応していく」
などとして、日英間の空路の制限には言及しなかった。出入国管理統計によると、20年10月に日本に入国した英国籍の人は330人。そのうち新規入国が166人で、再入国が164人だ。