2020年12月20日に放送されたTBS系「日本を変えた!あの重大事件の新事実」で、2019年に放送された同番組についてのお詫び文が掲載された。
放送最後に「お詫び映像」
問題があったとされるのは、2019年12月9日の放送で取り上げられた、2006年に発生した「福岡市・海の中道大橋飲酒事故」に関しての部分だ。
20日の放送の末尾では、「『海の中道大橋事故』の再現シーンについてのお詫び」として、「番組製作サイドの誤解により実際の裁判にはなかった場面を放送してしまいました 弁護人や関係者の皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びします」と、白い背景にお詫び文を載せた画像を放送した。
その内容は、以下の通りだ。
「▽加害者が急ブレーキを踏んだことに争いはなく
「被害者と加害者のどちらが急ブレーキを踏んだ」ことは争点になっていませんでした
・加害者がブレーキを踏んでいないことを前提とした弁護人の尋問は行われていませんでした
・間違った争点をもとに、事故の原因が被害者の落ち度にあり加害者に非はないと弁護人が主張しているかのように受け止められかねないシーンがありました
▽「次々と加害者のウソを見破った」とのナレーションは間違いでした」
番組ウェブサイトでは、さらに詳しい内容が解説されている。
「加害者に非はないと弁護人が主張しているかのように...」
「裁判の再現シーンで、被害者が急ブレーキを踏んだか加害者が急ブレーキを踏んだかが争点になっているとして、弁護人が加害車両の事故診断装置のデータを元に、被害者が急ブレーキを踏んだと問い詰めたシーンがありました。しかし実際の裁判では、弁護側として被害者がブレーキを踏んだ可能性を主張した事実はありますが、加害者が急ブレーキを踏んだことに争いはなく、被害者と加害者のいずれかが急ブレーキを踏んだのかということは争点になっていませんでした」
「裁判で弁護側は、加害者に脇見という不注意があったことは認めたうえで、急ブレーキをかけることが遅れた原因として、被害者側が急ブレーキを踏んだ可能性があることを指摘していました。しかし放送では、ブレーキを踏んだのはどちらかという間違った争点をもとに映像を構成してしまったため、事故の原因が被害者の落ち度にあり、加害者に非はないと弁護人が主張しているかのように視聴者に受け止められかねないところがありました」
これを受け、「番組制作サイドの誤解により実際にはなかった場面を『再現』として放送してしまい、弁護人や関係者の方々に大変なご迷惑をおかけしてしまったことをお詫び申し上げます。また、番組では主に鑑定人の鑑定や証言をもとに番組を構成しましたが、『次々と嘘を見破った』などの表現は適切ではありませんでした。この点につきましても重ねてお詫び申し上げます」として、再現シーンや番組の構成について誤りを認め、謝罪している。