新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中でも、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが国内線の新規路線開設を加速させている。
2020年12月18日には、成田-女満別線を21年2月10日、成田-大分線を2月19日にそれぞれ開設すると発表した。2路線の開設で、成田を発着する国内線の路線は12路線になり、本拠地にしている関西空港から発着する国内線路線数と並ぶ。国際線の運航がほぼストップしていることを背景に、国際線の機材や乗員を国内線に回したり、路線の開設予定を前倒ししたりして、少しでも収益を改善させたい考えだ。
「GoToトラベル」一時停止で「非常に大きな影響」
女満別空港は網走や知床へのアクセスに利用される空港で、流氷シーズンの観光需要を見込む。ピーチは20年8月に成田-釧路線を開設しており、女満別と合わせて北海道東部(道東)エリアの周遊観光も楽しんでもらえるようにする。大分空港は、同社が乗り入れる九州の空港としては6番目。九州観光の「入り口」のひとつとしての利用を見込む。
森健明(もり・たけあき)代表取締役CEOは、政府の観光支援事業「GoToトラベル」の一時停止で「非常に大きな影響」があるとする一方で、両路線が就航する21年2月までには「その時期には少し世の中が落ち付いて、多くのお客様にご利用いただけたら」とも話した。