子どもの性的虐待などが含まれた動画が見つかったとして、アダルト動画サイト「Pornhub」が一部の動画を非公開にした騒動で、問題を指摘した著名ジャーナリスト、ニコラス・クリストフ氏に対し、日本のユーザーが誹謗中傷する事態となっている。クリストフ氏が2020年12月17日、ツイッターで明かした。
報道きっかけに多くの動画が非公開に
クリストフ氏は12月4日、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の電子版に「Pornhubと子どもたち なぜカナダはこの会社(編注:Pornhubの運営会社「マインドギーク」はカナダに本社がある)が搾取と暴力から利益を得ているのを許しているのか」と題した記事を寄稿した。Pornhubに、子どもの性的虐待やレイプシーンなどが含まれる動画が投稿されていると問題提起している。
報道を受け、英BBC放送の12月8日付記事でも「BBCニュースは2月、14歳の時にレイプされ、その時の動画がPornhubにアップロードされたローズ・カレンバ氏の経験を伝えた。カレンバ氏は動画をサイトから削除するのに苦労したと話した」と伝えている。
米ブルームバーグ通信などによれば、クリストフ氏の記事をきっかけに、主要クレジットカード会社がPornhubでの決済利用を停止し、マインドギークは14日、未承認ユーザーが投稿した動画を非公開にするなどの措置を取ったと発表した。
日本人の一部のPornhub利用者は、一連の事態を快く思わなかったようだ。クリストフ氏は17日、「Pornhubの日本のファンたちから特別な悪意を向けられ、殺害予告も時折受ける。その洪水の中、この投稿は丁寧で楽しませてくれた」とツイートした。
リプ欄には日本語での書き込みが...
該当ツイートのスクリーンショットが添付されており、ユーザー名が日本語のアカウント(現在は消えている)がクリストフ氏宛てに「Please die for the time being」と書き込んでいる。
クリストフ氏の報告の通り、同氏のツイートのリプライ(返信)欄には日本人とみられるユーザーが頻繁に見つかる。例えば、「(Ponrhubだけでなく)視聴者数が多く、監視が少ない(アダルト動画サイト)XVIDEOSにも圧力をかけるべきだ。圧力は均等にかけないと効果的ではない」などとの15日の書き込みには、「全人類の敵」「絶対許さん」「死ぬことも逃げることも許されない地獄に落ちろ」など日本語での誹謗中傷が相次いでいる。
Pornhubが公表する2019年の利用統計によれば、国別アクセス数では日本はアメリカに次ぐ2位(前年は4位)。最も検索されたワードは「japanese」だった。