化粧品大手のDHC(東京都)が公式サイト上で、競合企業であるサントリーウエルネスなどに対する言及の中の表現が、「差別的ではないか」と批判が集まっていることを受け、サントリーHDの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し「コメントすることは差し控える」とした上で、「社会の一員として、人権尊重の重要性を認識しております」と、社としての姿勢を明らかにした。
一方のDHCの広報担当者は取材に対し「回答することは特にございません」とした。
「サントリー人権方針」に触れる
問題になったのはDHC公式サイトにある「ヤケクソくじについて」というページ。20年11月に吉田嘉明代表取締役会長・CEO名義で書かれた文書の中には、競合企業であるサントリー(ウエルネス)のことが、以下のように記述されていた。
「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本人です」
この記述をめぐって12月16日朝からツイッター上で「人種差別的」だという批判が集まり、DHC商品の不買を呼びかけるハッシュタグも拡散されていた。
J-CASTニュースは16日、DHCとサントリーHDの広報担当者に今回の件について取材を申し込んだ。サントリーの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し「他社様のホームページに書かれていることについて、弊社からコメントすることは差し控えさせていただきます」とした。その一方で、
「サントリーは人権方針を定めており、基本的な考え方として、社会の一員として、人権尊重の重要性を認識しております」
と、サントリーの公式サイトに掲載されている「サントリー人権方針」に触れ、社としての姿勢を示した。サントリー人権方針では、
「社会の一員である企業として、すべての活動において人権尊重の重要性を認識しています。私たちは、国連『ビジネスと人権に関する指導原則』(UNGPs)を実行の枠組みとしてとらえ、事業活動を行うそれぞれの国または地域における法と規制を遵守します」
などとうたっている。
一方、DHCの広報担当者は取材に対し「ご依頼いただいた取材の件に関しまして回答することは特にございません」とした。