「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人」「ネットではチョントリーと揶揄」
化粧品大手のDHC(東京都)が公式サイト上で掲載した文章に「差別的」だという批判が集まっている。ツイッター上では同社商品の不買を促すハッシュタグも拡散。著名人も批判的な意見を寄せている。
不買運動タグも拡散
問題になっているのは、DHC公式サイト内の「ヤケクソくじについて」というページ。2020年11月に吉田嘉明代表取締役会長・CEO名義で書かれた文章は、同社がなぜ消費者に愛好されているのかを説いたものだ。その中で、競合企業であるサントリー(ウエルネス)の名前を引き合いに出し、以下のように表現した。
「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本人です」
この内容が16日朝にツイッター上で拡散。吉田会長の文章は在日コリアンへの差別的発言ではないかといった批判が相次いだ。ツイッター上では同社の不買を促すハッシュタグ「#差別企業DHCの商品は買いません」も拡散されている。
吉田会長は過去にもDHC公式サイトで在日コリアンへの差別的表現を行ったとして批判を浴びていた。
乙武氏「身をもって残念な事実を知らしめていく」
ツイッター上の著名人も今回の一件に反応している。在日コリアンで作家の柳美里さんは、
「日本を代表する化粧品、健康食品会社『DHC』の代表取締役が、公に在日コリアンに対する差別発言を繰り返して許容されている。この日本社会の現実を、海外メディアの方に、是非、知ってほしい」
と訴えた。
コラムニストの乙武洋匡さんは米スポーツメーカーのナイキが11月に反人種差別をテーマとした動画を公開し、議論を呼んだことを引き合いに出し、
「NIKEのCMに対して『日本に差別なんてない!』と怒り狂ってた人々にほら、こうして差別主義者はいるよ、と身をもって残念な事実を知らしめていくDHCのアグレッシブさよ」
と語った。
J-CASTニュースはDHC、サントリーHDの各社に取材を申し込み、今回の問題に対する見解を聞いている。回答があり次第、内容を続報予定だ。
【12月16日 続報】
DHC、サントリーHDの広報担当者は16日、J-CASTニュースの取材に答えた。詳細はJ-CASTニュースの記事『DHC文書にサントリー、コメント避けるも「人権尊重の重要性を認識」 一方、DHC広報の回答は...』に掲載している。