伊藤忠に「安定感」 他の4商社との違いとは

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「非資源」の力

   では投資家が伊藤忠を選ぶ理由は何か。多くのビジネスの複合体である商社はその最終結果である純利益が比較対象となる。2021年3月期連結決算においては、その純利益で長らく首位にあった三菱商事を抜いて伊藤忠商事がトップに立つ可能性が濃厚となっていることがあるだろう。伊藤忠の2021年3月期の純利益予想は4000億円。2020年9月中間決算の実績は2525億円と進捗率は63%に達する。大和証券は伊藤忠の目標株価を3300円から3500円に引き上げた11月30日付リポートでこの進捗率について「業績安定性を示す」と評価した。これに対し三菱商事の通期の純利益予想は2000億円で中間決算の実績は866億円にとどまっている。なお、三井物産の純利益予想は1800億円で中間決算実績は1100億円だった。

   伊藤忠の2020年9月中間連結決算で分野別に積み上げた純利益をみると、食料や住生活など非資源の合計は2012億円で資源の合計は462億円。それぞれ前年同期より減っているが非資源が10.5%減に対し、資源が26.8%減でコロナ禍にあっても非資源で安定的に稼ぐ姿がくっきり浮かぶ。これに対し三菱商事の今期の不振の背景には得意とする原料炭価格の下落があるのは否定できないところだ。

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