米スポーツチャンネル「ショータイム」は2020年12月14日(日本時間15日)、公式SNSボクシング専門アカウントで12月19日に米コネチカット州で予定しているカードを発表した。WBC世界バンタム級暫定王座決定戦には、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とレイマート・ガバリョ(フィリピン)が出場。新型コロナウイルスの陽性反応を示したノニト・ドネア(フィリピン)は不参加となるようだ。
ドネアの代役はフィリピンの「KOアーティスト」
「ショータイム」の発表によると、ロドリゲスの対戦相手はガバリョとなっており、出場を希望していたドネアの願いは叶わなかったようだ。WBCが公式サイト上で発表しているスケジュールでも12月19日は、ロドリゲスVSガバリョのバンタム級暫定王座決定戦となっており、当日は同カードが行われる見通しとなっている。
ドネアが出場しないとはいえ、19日の興行は注目のバンタム級2試合が組まれており、WBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)のベルトを狙う4選手がリングに上がる。
WBC世界バンタム級暫定王座決定戦では、王座返り咲きを目指すロドリゲスに24歳のホープが挑む。ドネアの代役として急きょ抜擢されたガバリョは23勝全勝(20KO)のパンチャーでWBA同級1位につけている。WBCランクは世界26位と低いものの、地元フィリピンでは「KOアーティスト」と称され、大きな期待が寄せられている。近い将来、井上のライバル候補になりそうな選手だ。
一方、元世界王者として受けて立つロドリゲスにとっては、ようやく巡ってきた世界戦のチャンスだ。2019年11月にWBC世界バンタム級挑戦者決定戦に出場を予定していたが、対戦相手のルイス・ネリ(メキシコ)の体重超過により試合は中止に。不運に見舞われたロドリゲスは19年5月以来リングから遠ざかっており、WBC暫定王座を獲得し世界のバンタム級戦線に浮上したいところだ。
パヤノに挑むラッセルは17戦全勝
もうひとつのバンタム級のカードは、元WBA世界バンタム級スーパー王者で現在WBA同級7位にランクされているファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)とWBA世界バンタム級2位ゲーリー・アントニオ・ラッセル(米国)による世界ランカー対決だ。
パヤノは2018年10月にワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準々決勝で井上と対戦し1回KO負け。19年7月にはネリとWBCバンタム級シルバー王座をかけて対戦し9回KO負けを喫した。直近では9月26日にダニエル・ローマン(米国)とWBCスーパーバンタム級挑戦者決定戦を行い判定負けしている。36歳のパヤノにとって負けられない一戦となる。
パヤノと対戦するラッセルは、WBAの最新ランキングでランク外から一気に2位にランクインした選手だ。実兄にWBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr(米国)を持ち、プロデビュー以来負け知らずの17連勝(12KO)をマークしている。実力のほどは未知数で、元スーパー王者にどのようなボクシングをするか。元スーパー王者との世界ランカー対決はラッセルの真価が問われる。