2020年11月25日、WILLER、三井住友カード、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、三井住友銀行は京都丹後鉄道でVisaのタッチ決済によるキャッシュレス決済サービスを開始した。海外ではすでに導入が進んでおり、筆者もポーランドの公共交通で利用した経験がある。その詳細を説明したい。
外国発行のクレジットカードでもスムーズに決済
キャッシュレス決済サービスを導入する京都丹後鉄道は宮福線(福知山~宮津)、宮舞線(宮津~西舞鶴)、宮豊線(宮津~豊岡)を有し、京都府北部と兵庫県北部を走る。運行会社はWILLER TRAINSが、線路などの施設の保有は第三セクターの北近畿タンゴ鉄道が担っている。沿線には天橋立などの観光地があり、京都駅から直通特急列車を運行している。
今回導入されるキャッシュレス決済サービスは均一運賃(1回券、1日券)だけではなく、車両にあるGPSを活用することで距離制運賃(距離に基づく変動運賃)にも対応する。利用方法はいたって簡単。Visaのタッチ決済対応カード(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード)を乗車時と降車時に駅や車内にある読取端末のタッチリーダーにかざすだけ。単純に書くと、一般的なクレジットカードがICOCAやSuicaなどの交通系ICカードになる感じだ。
海外では導入進み...切り替えの好機かも
鉄道界でのVisaのタッチ決済によるキャッシュレス決済サービスの導入は外国人観光客にとって大助かりだ。何しろ手持ちのクレジットカードで直接決済できるため、いちいち切符を買ったり、交通系ICカードを購入したりしなくてもよいからだ。
筆者はポーランドの地方都市を走る市内バスでクレジットカードによるタッチ決済サービスを利用した。乗車時にカードを車内にあるカードリーダーにかざすだけで決済が済み、切符は発行されない。
ヨーロッパの地下鉄ではクレジットカード対応であっても、タッチ決済対応カードしか応じない券売機は以前から見られる。今年に入り郵便局がクレジットカードのタッチ決済サービスを開始。少しずつではあるが国内でも暗証番号を入力する場面は減っている。
海外旅行好きはもちろん、普段からクレジットカードを愛用している方はこの機会にタッチ決済対応のカードへの切り替えを検討してもいいかもしれない。
(フリーライター 新田浩之)