草津町長「性的暴行は100%ウソ」 海外メディアの「日本女性の現実」報道で反論

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   群馬県草津町で性被害を主張した女性前町議(51)のリコール成立で、女性差別がある日本の現実などと海外メディアが報じたことに対し、黒岩信忠町長(73)が東京・丸の内の日本外国特派員協会で会見して状況を説明した。

   黒岩町長は、「性的暴行は100%ウソ」だと訴えたうえで、世界的な反響について、「町民まで非難する書き込みがあり、心を痛めています」と漏らした。

  • 会見した黒岩信忠町長(東京・丸の内の日本外国特派員協会で)
    会見した黒岩信忠町長(東京・丸の内の日本外国特派員協会で)
  • 会見した黒岩信忠町長(東京・丸の内の日本外国特派員協会で)

「町は彼女に敵意」「男性優位の政治情勢」などとも報じられ...

   女性前町議を巡っては、リコールによる住民投票が2020年12月6日に行われ、9割超が賛成してこの女性は町議を失職した。このことが報じられると、「#草津温泉には行かない」とのハッシュタグに一部で賛同する声が上がり、性差別に敏感な海外の大手メディアも次々に取り上げた。

   米ニューヨークタイムズ紙は9日、「町議が町長の性暴力を訴えると、町は彼女に敵意を示した」と題するウェブ版記事を載せた。「この問題は、日本で性的暴行を告発する女性が直面する困難を浮き彫りにしている」などと指摘し、日本のジェンダー専門家の見方も紹介している。

   また、英デイリー・テレグラフ紙は10日のウェブ版記事で、「日本女性の現実を示すショッキングな性的暴行のケース」との見出しで、草津町の問題を取り上げた。背景には、「日本の長い男性優位の政治情勢」があるとして、前町議のリコールは、「日本の疑わしい男女平等の記録にスポットライトを当てる結果になった」と皮肉っている。

   このほか、米CNNや英ガーディアン紙も、日本の女性差別などの観点から、この問題を取り上げている。

   黒岩町長は、こうした海外メディアの報道を考慮したのか、14日になって、駐日海外メディアの記者のために運営されている外国特派員協会での会見に臨んだ。

町長は「女性だからということは、まったくない」と強調

   女性前町議が5年前にあったと電子書籍などで訴えた性的暴行については、黒岩町長は会見で、「100%ウソの作り話で、でっち上げです」と説明し、「私を陥れ、失脚させるためのペンの暴力行為」だと訴えた。

   前町議ではなく自分が名誉棄損などで刑事告発や民事訴訟をしており、それでも前町議からは証拠が出てないことなどを潔白の理由に挙げた。

   世界的に大きな話題になったことをどう受け止めるのかとの質問に対しては、こう答えた。

「正直に言って、大変驚いています。町民まで非難する書き込みがあって、心を痛めています」

   刑事告発や民事訴訟の結果を待たずに、議会が女性前町議を除名したり、議長らがリコールを進めたことについては、議場で他にも被害者がいると偽ったり、県の除名取り消しに納得できなかったからだと説明した。前町議を排除する目的かと聞かれると、「女性だからということは、まったくありません」と答えた。「草津の尊厳を傷つける行為を今もしており、これを止めるにはリコールしかありませんでした。風説を流布した議員の人間性が問題なのに、女性蔑視に世論をすり替えようとしています」とも指摘した。

   女性前町議はリコール成立後、「理念に反する理不尽なものだ」などと不満を示し、「一町民として議会を監視していく」「理不尽と闘いながら黒岩町政に反対を訴えていく」などとマスコミの取材に答えている。なお、外国特派員協会では、この前町議の記者会見も12月18日に予定されている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

姉妹サイト